第282話 見られる仕事をしてるやつはさすがです

里見菜月>北条倫『私たちは着いたよ』13:45


 おおう。ごめんなさい俺らまだ電車に揺られてます。


里見菜月>北条倫『ジャック合流』13:50


 おお……すまぬ。

 でも、くもんさんは一緒じゃないのね。


里見菜月>北条倫『真美ちゃんと大地くんも会えたよ』13:58


 ……あとちょっと、あとちょっとなんです。

 

 こんな風にね、だいからの律儀な連絡を受ける度に申し訳なさが募る中、既に時刻はほぼ14時集合時間。されど我らは未だ電車内。

 ん、でもあれ?

 ロキロキは、まだなのかな?


北条倫>里見菜月『あと10分くらいで着く!でも、ロキロキは?』13:59

里見菜月>北条倫『はい。ロキロキは、まだそれっぽい人見てないかな』13:59

里見菜月>北条倫『待ち合わせ場所で固まってるの私たちだけだから、来たら気づいてくれると思うんだけど』14:00


 ふむ。

 俺らは遅刻してもこうやって連絡できるからいいけど、ロキロキはまだ連絡先を知らないから、遅れられるとまずいんだよね。

 もし来なかったり遅刻されたりすると、俺らも動けなくなるし。

 うーむ、実は先に着いてて、どっか見て回ったりしてくれてるとかならいいんだけど。


 これまでのオフ会で集合に失敗したことがなかったから、今回も会えるだろうと踏んでいたけど、まだロキロキと会えていないという事実は、ちょっと嫌な感じだなぁ……。

 でももし来れなくなったにしてもね、今日の夜にでもジャックがログインしたら何か言ってくるだろう。

 とはいえ……あれだけくもんさんと会えるの楽しみにしてそうなロキロキだったから、絶対来るとは思うんだけど。


 でもあれかなー、午前中部活みたいなことは言ってから、その関係なんだろうか?

 ううむ、とりあえず俺らが着くまでに来てくれるといいな。


北条倫>里見菜月『とりあえず、俺らも急ぐ』14:01

里見菜月>北条倫『うん、みんな早く亜衣菜さんに会いたがってるよ』14:01


 あ、はい。

 まぁ、そりゃね、普通のLAプレイヤーからしたら、亜衣菜っつーか、〈Cecil〉はアイドルだもんね。

 ……これはもしや、遅刻ではあるが亜衣菜パワーであんまり怒られないで済んじゃったり?

 あ、いや、もちろんちゃんと謝るけどさ。


 等々、俺はそんな風にだいと連絡を取り合いながらそんなことを考える。

 でもやっぱね、時間への焦りはあるんだけど、亜衣菜とゆきむらは……平常運転であんまり焦った様子もなく、いつの間にか恋愛トークから【Teachers】のメンバー紹介へと話題を転換させていた。

 その二人が時々振ってくる話に適当に相槌を打ちながら、間もなく到着予定の千葉駅へ、俺は早く着いてくれと願うのだった。






 そして14:07。


「やっと着いたかーっ」

「遅れてしまいましたしね、急ぎましょう」

「うむ。ロキロキ以外もうみんな揃ってるみたいだし、そうしよう」

「ん? ロキロキってだれー?」

「あ、うちの新人。今週加入したばっかの奴」

「おー、新人さん入ったんだ」


 定刻通りに着いた電車から降り、俺たちは千葉駅のホームに降り立った。

 で、急ごうと言うゆきむらに同意し、俺が既にロキロキ以外が集合していることを告げると、その名に馴染みがなかったのか、亜衣菜が俺にそれが誰なのか聞いてきた。

 元々お前のギルドの支部のやつだぞ、って言おうかとも思ったけど、まぁそれは本人と合流してからでもいいかと思ったので一旦保留。なので俺はとりあえず新人であることだけを告げた次第である。


 そしてみんなが待つみどりの窓口まで向かおうとしたところで。


「お姉さん、これ落としましたよ!」


 不意に後方から聞こえた、少年のような声。

 その声はかなりハキハキとしていて、よく通る声だった。


 そんな声だったからね、思わず俺ら全員が振り返ったわけだけど、なんとそこに居たのはさっきまで同じ電車の近くに乗っていた、キャップをかぶった短髪のお兄さん。

 そして彼が、何かをこちらに差し出しながら近づいてくる。


「あっ、ありがとうございます!」


 そしてその何かに気づいた亜衣菜が、ハッとした顔をして、お礼を言いながらそれを受け取りに行く。

 どうやら亜衣菜の奴、Suicaの入った定期入れを落としていたみたいだな。


 そして亜衣菜が受け取ると同時に、電車のドアが閉まり、俺らが乗っていた電車が発進。


「あっ、電車行っちゃいましたけど、大丈夫でしたか?」


 そしてその発進に気づいた亜衣菜が、もし落とし物を渡すためにお兄さんが下車したのだったらどうしようって様子で申し訳なさそうな声を出したけど。


「いえ、俺もここで降りる予定でしたから、大丈夫っす!」


 ニカッて効果音か、キラッて効果音がぴったりのような、お兄さんの整った顔立ちが繰り出す爽やかな笑顔は、まるで少年のように眩しくて。

 あれだよな、俺が電車内でおっきな声出しちゃった時も、爽やかな感じで流してくれてたし、うん、この人はきっといい人なんだろうな。

 そんなお兄さんを改めて眺めてみれば、身長はたぶんゆきむらと同じくらいの、俺よりも低い160台半ばくらい。黒の無地のTシャツに薄手の白シャツを羽織ってて、下はシンプルなデニムにスニーカー。俺と同じ程度には日焼けもしてて、髪は俺よりも短く、耳周りを刈り上げた短髪でアクティブな感じを与えてくる。でも、意志の強そうな目が印象的な整った顔立ちは男の割に小顔で、身体も華奢で線が細い。

 年は……俺よりも下っぽいな。

 なんというかあれだね、二十歳越えてるけど制服着てドラマとか出させられてる役者的な感じ?

 主役は張らないけど、主役のいい友達ポジとかで出て来そうな、そんなイメージ。


 つまりまぁ、いい奴イケメン、って感じかな!


「ああ、よかったー。ほんと、ありがとうございました!」


 そんな風に俺はいいお兄さんを観察していたけど、亜衣菜が再度お礼を言ったところで、「気をつけてくださいね!」と言ってお兄さんは颯爽と去っていった。

 のでね、そこで俺たちもようやく状況を思い出し、急ぎ足に移動開始。

 いやぁ、でも爽やか好青年だったなー。地元の兄ちゃんなのかな?


「ったく、気を付けろよ?」

「いやはや面目ないっ」

「でも優しい人でよかったですね」

「だねー。しかもけっこうイケメンだったねー」

「むむ……? 亜衣菜さんは、先ほどのような方がタイプなんですか?」

「んー、たしかに可愛い感じの無邪気系イケメンだったけど、ちょっと細すぎかなー? あたしは、もう少しがっしりしてる方がいいなー」

「……俺を見るな俺を」

「りんりんは、優しい系可愛いメンだよね。でも意外と筋肉あるとこ好きだよ?」

「はいはい聞いてない聞いてない」

「せんかんさんは、身体大きいですよ」

「んー、ゆきむらちゃん、別におっきければいいってわけじゃないよ? その人、会ったことないけど」

「むむ?」

「あー、ほら。無駄口叩いてないで、いくぞ」

「あ、はい」

「はぁい」


 そんな、親切なお兄さんについての話からすぐ脱線した二人を引き戻し、足を動かすよう促す俺。

 しっかしほんと、あっという間に仲良くなったなこいつら。

 何がそこまで惹きつけ合うのか知らないけどさ。


 でも、この二人の会話にばっか気を取られるわけにいかないからね。

 今は俺ら、現在進行形で遅刻してるわけだし。

 とにかく今は急がねば。


 そんな思いでね、せかせかと足を動かしてホームを進み、ようやく改札を出る俺たち。

 そして出たとこできょろきょろと辺りを見回すと。


「あっ、菜月ちゃんだっ。ってことはあの集団?」

「うむ。あのちっこいのがジャックだぞ」

「おおっ、めっちゃちっちゃー。可愛いなー」

「でも6人しかいませんね」

「ってことは、やっぱロキロキまだなのか」


 だいがいたことで亜衣菜も気づいたようだが、それよりもやっぱ目立つのは黒くて大きい大和だね。そんな【Teachers】の面々を見つけた俺たちは、集まってるメンバーについてちょっとだけ話をしつつ、再度小走りでみんなのところへ。

 いや、でも亜衣菜に対して、みんなどんな反応するのかな……ううむ、ちょっと緊張だな。


「お、やっとかー。ったく、遅刻してんじゃねーぞおい」

「いや、ごめんって。ほんと、すみませんっした!」


 そして俺らが近づいていくと、それに気づいただいたちも一斉にこちらを向いてくる。

 で、まずは柄のTシャツにハーフパンツ、サンダルと相変わらずの夏女スタイルのぴょんから俺への一喝が。

 それに対して、俺は申し開きせずにまずは謝罪。

 それに合わせて、ゆきむらと亜衣菜もね、俺の両サイドに立って頭を下げてました。


「やっほ~。この人がセシルなんだよね~? わぁ、目おっきくて可愛いし……写真以上のボリュームだ~」


 そして、肩出しの可愛らしい青とグレーの中間色みたいなオフショルダーに、白のギャザーの入ったスカート姿のゆめは、どうやら目線が亜衣菜の胸あたり。

 まだマスクつけてるから顔がはっきりしないとはいえ、まぁ、うん。そこはね、目が行ってしまいますよね……!


「両手に花で遅刻とは、いい身分だなぁ倫は」


 続いて呆れた声を出しつつ、俺を笑ってくれるのは安定の紺ポロシャツにベージュのチノパンをはいて、おそらくこの前ぴょんからもらってであろうサングラスをかけた大和。

 そのおかげで遠目からでも気づいたけど、やっぱいかついな。

 って、あ、よく見たら首にはぴょん共々俺があげた磁気ネックレスつけてるじゃん。


「いやぁ、まさかリアルでセシルに会う日がくるとはね~~」


 で、セシルの方をまじまじと見つめるのは、大きめの白Tシャツに七分くらいの黒ズボンをはいたジャック。

 そのTシャツ、大きく見えるのはジャックが小さいからなのかもしれないけど。


 でもほんとに初対面なんだなー。この二人は知り合って長そうなのに。


「はじめまして、真実ですっ」


 そしてすでにみんなに挨拶を終えたであろう真実が、亜衣菜に向かって一礼し。


「いやー、真美ちゃんはほんとお兄ちゃん想いなんだねっ」


 小一時間妹と一緒にいてくれたあーすは、まず俺にそんなことを言ってくる。

 いや……え、何話したんだろ、こいつら。


「すみません、遅くなりまして」

「ええっ、ええと……」


 そんな風にね、いきなりみんなからあれこれ言われて、俺に続いて素直に遅刻を謝るゆきむらとは対象的に、亜衣菜のやつはちょっとテンパってしまってた、けど。


「亜衣菜さん久しぶりだね」


 さっと亜衣菜の前に来た、可愛らしい青色ワンピースのだいの笑顔に。


「あっ、菜月ちゃんやっほーっ」


 亜衣菜もひとまず落ち着きを取り戻したようで、仲良さそうにね、両手を掴んで再会を喜んでおりました。


「ええと、すみません急にお邪魔しちゃって。武田亜衣菜です、ジャックと菜月ちゃんと真実ちゃん以外は、向こうLA含めてはじめましてっ」


 そしてまだマスクを付けてるから『月間MMO』で馴染みのある顔はお預け状態なわけなのが、目はしっかりと笑顔をつくり〈Cecil〉ではなく本名を名乗って自己紹介した亜衣菜が、人懐っこい雰囲気でみんなに挨拶。

 それを見るみんなもね、やっぱどこか、嬉しそう、かな。


「今日は忙しくなかったの?」

「あ、うんっ。家で撮影してただけだからねっ」

「え、それお仕事なんじゃ……?」


 そして亜衣菜の自己紹介が終わったところで再度だいが亜衣菜に声をかけたわけだが、うん、やっぱ君もそう思うよね。

 写真撮られるのが、亜衣菜の仕事だよね!


「ま、夜に戻れば大丈夫だからっ」

「あ、セシルは泊まっていかねーの?」

「え、泊まりって? あ、えっと」

「あ、そっか。あたしら名乗ってないもんなっ、あたしぴょん、向こうだと〈Pyonkichi〉。ゼロやんとタメだから、セシルともタメだと思う! よろしくっ。で……その反応的に、ゼロやんは今日ジャックんちに泊まりってこと、教えてなかったのかー?」

「え、いや、まぁ言ってなかったけど……」

「ったく、言っとけよそれくらいよー」

「でも、亜衣菜さんにその準備をするお時間、なかった思いますけど……」


 そして、夜に戻ればいいなんてとても素晴らしいことを言った亜衣菜へぴょんが名を名乗りつつ、俺になんで泊まりってこと教えてないんだって言ってくるけど、そこに颯爽と現るゆきむらのナイスフォロー。

 そう、その通りなのだよ!

 あそこから準備行かれてたら、いつ着いたかわかったもんじゃないしな!


「別にゼロやんが顔は知ってるんだから、セシルさんだけ後から来てもらってもよかったんじゃないの~?」

「え、あ、それは……」


 だが、俺に加勢が来たと思えば、今度はぴょんにも加勢ゆめが加わる。

 しかも……え、内心読まれた……!?

 でもね、あの急いでた状態で、そんなこと考える余裕もなかったんだ。

 うん、わざと言わなかったわけではないんだ、ほんとだよ。


「でもおかげでゆきむらちゃんと色々お話できましたからっ。それに今日で皆さんとも知り合えましたし……あ、今度よかったらうちで女子パーティしませんかっ!? あたし前の学校でりんりんの教え子だった子と一緒に住んでるんで、りんりんが先生なりたての頃のお話も聞けますよっ」

「えっ、楽しそ~」


 だが、俺がしどろもどろになっているにも関わらず、愛嬌レベルカンストかと思われるような社交性を発揮した亜衣菜がゆめにそう言い返すと、会ったばかりの関係だと言うのにゆめも笑顔になっていた。


 いや、でもなんというか……こうみんなの前でりんりんって言われるの、改めてやっぱ、恥ずかしいな……。

 それ、絶対さ。


「いいな、りんりんの先生なりたての話とか、ちょっと楽しそうだな!」

「おい。お前大和がその名で呼ぶな」

「はっはっは! いやぁ、しかしほんと、今日も一段と華やかな集まりになったな! っと、俺はLAだと〈Senkan〉っす。でも、まだあんまりリダの動画には上がってないから、分かんないかな?」


 ほら、いじる奴でてくるよね!

 俺の予想通り、まず大和が亜衣菜のりんりん呼びを真似してきたので、俺は目を細めて大和へ睨みを利かせる。

 だが、効果はいま一つのようだ……くそう。


「あっ、分かりますよ! ここに来るまでゆきむらちゃんから皆さんのこと聞いてたので。おっきくて黒い人がせんかんさんですよって聞いてます! ほんと、その通りですねー」

「ゆっきーその紹介したの~~?」

「はい。あれ、間違ってました?」


 さすがゆきむら、見事な天然。

 そんなゆきむらにジャックが元から細い目をさらに細めて笑ってるけど、当のゆきむらはね、ジャックに笑われてる意味が分からず、「むむ?」って感じで首を傾げてるようである。

 言われた大和は……あ、絶句してる。ざまあ!


「あははっ、でも的確な紹介だねっ。じゃあ僕はなんて紹介されたんだろ? はじめましてセシルさん! 〈Earth〉ですっ」

「わっ、すっごいイケメンですね! でも、あーすさんは……ちょっと鬱陶しいって聞いてますけど……」

「ええっ!?」

「おお! ゆっきーいいねぇ! それは間違ってねーな!」

 

 南無。

 こうして大和に続いて亜衣菜に話しかけたあーすも、ゆきむらのナイスな紹介により見事に撃沈。

 いや、でもあれくらいじゃあーすは3秒あれば復活しそうな気がするけど、まぁとりあえず少し黙っててもらうとするか。


 で、あと亜衣菜に名乗ってないのは――


「で、この子が真実ちゃんだよね?」

「おう」


 ジャックはさっき遠目に紹介したから分かるとして、亜衣菜が今度向き直ったのは真実の方。で、真実が真実であることを、兄である俺に確認してきたわけである。

 いや、真実はさっきも名乗ってたけど、まぁいきなりみんながあれこれ言ってからな、覚えきれてなかったのかな。

 でもやっぱ見た目でも……わかるか。

 

「は、はじめましてっ。ええと、LAでは色々とお世話になりました!」

「あははっ、いい子そうだねー。お兄ちゃんに似て可愛い子に生まれてよかったねっ」

「いや――」

「そんなそんなっ。亜衣菜さんも、その、兄が色々とお世話になりました。……あれ、ご迷惑おかけしました、なのかな? あれ?」

「おいおい、お世話になった色々って何のことだー?」

「はいはい、いきなり若い子が下ネタ言った空気にしないでくださ〜い」

「むむ? いっちゃん下ネタだったんですか?」

「ちっ、違いますよ!」

「もう……いきなりからかわないであげてよ」

「おお〜〜、早くもだいはお義姉ちゃんモードだね〜〜」

「え、そ、そんなことないわよっ」


 いや、今日3回目の真実への俺に似て可愛い発言を否定したかったんだけど……。

 女集まればなんとやら。


 亜衣菜の言葉を否定しようとした俺の言葉は他の女性陣たちの言葉の前にいとも容易く飲み込まれる。

 そしてその後続いた、自由すぎる展開。

 でもとりあえず、あとでぴょんの代わりに大和殴る。

 色々精算したって話はみんなにしたけどさ、今ここでそのいじりは、やめてくれ……!

 

 ほんとね、ジャックの発言によりだいが、ぴょんのせいで真実が照れてるし、その姿見てジャックとぴょんはニヤニヤしてるし、ゆきむら……はいつも通りだけど、そんなみんなを見て亜衣菜も楽しそうに笑ってる。

 ああもう、まともなのゆめしかいねぇじゃねえか!

 ……あー、早くも疲労感MAXだぞおい。


「楽しそうなギルドだねっ。よかったねりんりん、いいとこ入れてっ」

「ん? あぁ、まぁそうだな……って?」


 そして遅刻して集合した時から俺の隣に立つ亜衣菜が、今度は笑顔を俺に向けてくるけど……。

 ん? それ俺だけに言うセリフ、か?


「でもほんと、セシルと会える日がくるとは思ってなかったよ〜〜。くもんびっくりするだろな〜〜」

「あれ、ジャック言ってないの〜?」

「うん〜〜、サプライズにしようと思ってね〜〜」

「おおっ、くもちんに会えるのも楽しみだよっ」


 とまぁね、俺は亜衣菜の言葉に疑問を抱いていたのだが、ジャックが亜衣菜に話しかけたので、それ以上俺はツッコめず。


「あとは、ロキロキか」

「そだなー。うーむ、とりあえずまだ待つかー」

「だねっ。待ってあげよっ」


 そしてその後も亜衣菜とジャックが少し話してる間に、とりあえず亜衣菜関連の話題をひと段落と見たのか、大和がまだ現れぬ新人の名を口にする。

 それに応えて、仕切り役のぴょんがまだ待とうって言って、あーすが頷いてるけど、ほんと、ロキロキはどうしたんだろうか。


 うーむ、こんだけ分かりやすい集団なってるんだし、こっち来るやついないのかな?


 時計を見れば既に14時15分。

 俺らが来てからはまだ5分くらいだけど、他のメンバーからしたら15分遅刻だもんな。

 だからね、何となく俺も周囲に視線を送った、その時。


「すみませんっ! 遅れたっす!」


 はっきりと聞こえた、ハキハキとした、元気な声。

 その声はみんなの意識を引きつけるのに十分な力を持っていて。


「え?」


 みんなと同時に、俺もその声の方へ視線を送る。

 その先にいたのは――






―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―

以下作者の声です。

―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★― 

 最後のあたりが、全員集合、なのでしょうかね!?


 バレンタイン番外編、スケジュールの都合で当日に間に合わず……!

 遅ればせながらの投稿ですが、とりあえず載せようとは思います。


 大きな地震がありましたし、皆様もどうぞお気をつけくださいますように。



タイトル載ってませんでした!

追記!

 

(宣伝)

 本作スピンオフシリーズである『オフ会から始まるワンダフルデイズ~Side Stories~』。停滞を重ねつつも掲載しております。




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