第267話 言霊ってのはやっぱりあるのかな
〈Pyonkichi〉『ちーっす』
〈Jack〉『やっほーーーーw』
〈Yukimura〉『こんばんは』
〈Daikon〉『こんばんは』
〈Earth〉『やっぴー☆』
〈Hitotsu〉『おかえりー』
〈Yume〉『こばー』
〈Zero〉『うぃー』
〈Senkan〉『おう』
〈Gen〉『おうw』
〈Gen〉『揃ったかw』
20時48分、21時より少し前、ぴょんの登場にリダが全員が揃ったって言うけど、あれ?
〈Jack〉『あれーーーー嫁キングはーーーー?』
そうそう、嫁キングおらんやん。
代休明けの火曜を終え、大和と駅まで向かって、帰宅して夕飯やら風呂やらを済ませて迎えた【Teachers】の活動日。
リダは揃ったっていうけど、うん、嫁キングのログは見当たらない。
キャラはインしてるんだけどね、俺がログインしてから、1回も発言はないぞ?
〈Gen〉『あ、嫁は寝かしつけた仁が起きちゃったので、抱っこしてるから喋れませんw』
〈Jack〉『なるほどーーーー』
〈Daikon〉『子どもはしょうがないね』
〈Gen〉『で、だw』
〈Yume〉『なになに~?』
〈Zero〉『なんかあったのか?』
〈Senkan〉『リダがもったいつけるときは、なんかありそうだなw』
〈Pyonkichi〉『なんだ!?第二子か!?』
〈Hitotsu〉『むむ、おめでたですか!?』
〈Yukimura〉『おめでとうございます?』
〈Gen〉『いや、ちげーよ!w』
〈Gen〉『家族計画はしっかりしてるのであしからず』
〈Earth〉『仁くんもまだ赤ちゃんだしねっ☆』
〈Pyonkichi〉『ちがったかー』
〈Jack〉『じゃあどしたのーーーー?』
〈Yukimura〉『あ、もしかして動画関連ですか?』
何かを言おうとするリダに、みんなが何かを感じ取る。
でもさすがぴょん、俺にその発想はなかったわ。
ちなみにゆきむらが動画関連と言ったけど、たしかに最近リダの動画は投稿が減り、視聴者は減少中。
そこらへんのテコ入れを思いついたのかなと俺も思ったけど、なんだろうか。
〈Gen〉『ゆっきー半分正解!w』
〈Yukimura〉『むむ?』
〈Gen〉『動画効果炸裂!』
〈Jack〉『おおーーーー!?w』
〈Gen〉『新人が入ります!!』
な、なんだと!?
〈Jack〉『おおおーーーーw』
〈Yume〉『ほほ~』
〈Pyonkichi〉『こんなレアギルドにw』
〈Senkan〉『入ってるくせにそう言うなよw』
リダの発言に、
しかしなんという偶然、ちょうど今日大和とそんな感じの話をしたばかりだというのに、今日の今日でそんなことが起きようとは。
〈Gen〉『じゃあギルドの承認押すから、登場してもらいましょう!』
〈Earth〉『どんな人だろねー☆』
〈Zero〉『男がいいなぁ』
〈Yukimura〉『そうなんですか?』
〈Daikon〉『別にゲームに性別は関係ないでしょ』
〈Jack〉『ゼロやんの思考がオフ会ありきになってるねーーーーw』
〈Zero〉『いや、なってねーし!?』
って、まぁ、うん。実はそうなんだけど!
ってもまぁね、そもそもオフ会は、住んでるとこ近くないと来れないしなぁ。
47都道府県あるんだし、たしかに首都圏は日本の4人に1人の人口が集まってるけど、それでも75%は遠方、来れない可能性が高い。
それでもさ、そういうの関係なくさ、男仲間は欲しいとこである!
〈Gen〉『いや、お前ら静かに待てよw』
と、リダが紹介しようとしていたところを、俺らが話し続けていたせいか、ちょっとだけ注意されると。
〈Loki〉『あの、喋ってもいいっすか?』
〈Gen〉『紹介しよう!』
あ。
見事にリダのログと前後する形で、今まで見たことがなかった名前が登場。
〈Gen〉『って、あ!』
〈Loki〉『あw』
その前後にお互い焦ったのか、ちょっと変な感じになるけど、〈Loki〉さんか。たぶん、ロキだよな。あれか、北欧神話の神様の名前か、大層な名前だなぁ。
でも、聞いたことないけど、新規さんなんだろうか?
もう8年目を迎えるLAだけど、まだ定期的に新規プレイヤーはいるっていうし、新規さんでもおかしくはあるまい。
でも01サーバーに入れたとか、ラッキーだねぇ、ほんと。
〈Gen〉『えーっと、色々順番ミスったけど、新人のロキくんだ!w』
〈Loki〉『はじめまして!ロキっす!』
〈Jack〉『はじめましてーーーーwジャックでーーーーすw』
〈Yume〉『ゆめで~す』
〈Earth〉『あーちゃんだよ☆』
〈Daikon〉『だいこんです。はじめまして』
〈Pyonkichi〉『あたしぴょん!よろしく!』
〈Yukimura〉『はじめまして。ゆきむらと申します』
〈Senkan〉『せんかんっすwよろしく!』
〈Zero〉『ゼロっす。みんなからはゼロやんって言われてます』
〈Hitotsu〉『ひとつです!私はいっちゃんと呼ばれてます!』
案の定読み方はロキで合ってたみたいだな。
そんな新たな仲間の挨拶に、みんなもそれぞれ自己紹介をする流れに。
いやぁ、今年はこれで真実につづいて二人目か。
いいねぇ、仲間が増えると出来ることも増えるからな。って、新規さんだったら、また育てるとこからなんだけどね。
〈Jack〉『初めて見る名前だねーーーー』
〈Jack〉『新規さんかなーーーー?』
〈Pyonkichi〉『どこ住み!?』
〈Yume〉『校種は~?』
そして早速みんな、色々とロキさんに尋ねだすけど、校種を聞くのはうちのギルド的にありだとして、いきなり住居聞くとか、すげえなぴょん。
〈Gen〉『まあまあwみんな色々気になってるだろうし、せっかくだしたまにはギルドハウスに集合しよう!w』
〈Jack〉『おや、めずらしーーーーw』
〈Yukimura〉『ほお。久しぶりですね』
〈Yume〉『え、行くのいつぶりだろ~』
〈Hitotsu〉『ギルドハウス?』
〈Zero〉『あ、真実は初めてか。つれてくからワラザリアにおいで』
〈Daikon〉『普段使わないものね』
〈Pyonkichi〉『あたしも場所忘れたからゼロやん案内よろ!』
〈Senkan〉『マジかよw』
だが、色々聞きたいことはあるけれども、なぜか今回はリダがあえてギルドハウス集合というので、みんなでそこへ行くことに。
あれかね、ログだけだとキャラのグラフィック見えないから、ログが女性なのにキャラ男性ってメンバーも多いから、今後色々と混乱しないようにっていう配慮なのかな?
そんなことを考えつつ、俺は今まで一度もギルドハウスに行ったことがない真実を案内すべく、ギルドハウスがある海上都市ワラザリアへ〈Zero〉を転移。
そして転移先で先に来ていた〈Hitotsu〉に手を振り、合流し、さらに少しだけ待って転移してきた〈Pyonkichi〉も引き連れ、移動開始。
とりあえず今のところのログで、性別は判断できないけど、男だったらいいなぁという期待を持って、俺は〈Zero〉を動かすのだった。
〈Jack〉『ほほーーーー』
〈Daikon〉『え』
〈Yume〉『む、だいどったの~?』
〈Loki〉『うわー、本物のメンバーだ!w』
〈Gen〉『そりゃそうだw』
〈Senkan〉『新規、ではないよな?w』
〈Yukimura〉『あれ、その防具・・・』
〈Earth〉『キャラ可愛いねっ☆』
む、なんだなんだ?
真実とぴょんを連れてギルドハウスに到着した俺だったが、どうやら先にギルドハウスにエリアチェンジして、奥のリビングというか、会議室というか、まぁご丁寧に着席したりするモーションに適合するようにソファーなんかが置かれた部屋の方に集まってるメンバーから聞こえてくる
だいの驚きや、ロキさんの『本物のメンバーだ』発言、大和の『新規じゃない』、ゆきむらの『防具』、あーすの『可愛い』とか、色々と気になる単語が多すぎる。
さてさて、新人くんはどんな奴なんだ?
〈Pyonkichi〉『おっまたせー!って』
〈Pyonkichi〉『おいおいキャラ被りかよ!w』
〈Hitotsu〉『わ、可愛いですねっ』
〈Zero〉『ほうほう。って、む、その武器』
〈Jack〉『気づく人は気づくよねーーーーw』
そして遅れることちょっと、俺もみんなが集まる部屋に〈Zero〉を動かし、みんなの発言の意図を理解した。
〈Loki〉『マジでジャックさんっすよね!うわ、テンション上がる!w』
〈Gen〉『なるほどwそりゃジャックは知ってるかw』
〈Loki〉『いや、もう知ってるどころじゃないっすよ!w』
〈Jack〉『なんでーーーー?』
そして俺が〈Loki〉キャラを観察している間に、本人がテンション高めになり、リダが笑ってるけど、ふむふむ。全くもって新規さんとは程遠そうだな。
あ、ええと、まず〈Loki〉のグラフィックを説明すると、見た目は金髪を短く刈り込んだタイプの、活発そうな顔立ちをした小人族男。小人族はまぁ基本可愛いからな、そういう意味でのあーすや真実の可愛いだったんだろう。
うちのギルドで小人族はこれまで〈Pyonkichi〉だけだったから、二人目か。でもキャラ被りって言うけど、茶髪で坊ちゃんヘアーっぽい〈Pyonkichi〉とは全然見た目違うし、種族だけだろ、被ってんの。
で、武器。だいと同じく俺もちょっとびっくりした感じあるけど、その武器はだいが使ってるのと同じだった。
そう、つまりそれは現在最高峰の性能を誇る、キングサウルスが落とす
ってことは、
さらに着ている防具もゆきむらが驚いた通り、高性能な購入不可のレアモンスターのドロップ品っぽい。
一朝一夕に手に入る装備じゃないし、うん、どう考えても新規さんではない。
そもそも
なるほど、これは頼れる新メンバーっぽいな。
でも、なんでジャックに対してそんなテンション上がってんだ?
たしかにジャックはうちのサーバーじゃ有名なサポーターだけど、尊敬するなら使う武器違くねーか?
〈Loki〉『いやー、あの6人でキングサウルス討伐してた動画、ほんと痺れました!』
〈Loki〉『このギルドに入れてほんと嬉しいっす!w』
と、俺があれこれとロキさんを観察しながら色々と考えていると、本人から【Teachers】を知るに至ったであろう理由が伝えられた。
ほほう。あの動画か……懐かしい。
思い出すあの激戦。
まだ大和は復帰前で、真実も加入前で、ぴょんも嫁キングもあーすも休みだった、あの戦い。
そして俺が見事に
うむ、あれはいい動画だったな……!
〈Yume〉『6人って、あ~、初めて倒したときのか~』
〈Zero〉『あの勝利は格別だった・・・』
〈Jack〉『あたしはきつかったけどねーーーーw』
〈Yukimura〉『懐かしいですね』
〈Gen〉『いやぁw同業の視聴者がこうしてうちに入ってくれるとは、動画あげた甲斐あるなぁw』
〈Jack〉『リダ嬉しそーーーーw』
ロキさんの発言にあの戦いに参加していたメンバーがあれこれと言うけど、うん、だいが何も言わないのは、安定の人見知り発動か。
まぁあれかな、武器被ってるし、役割被るのかなとか心配してるのかな?
でもだいより上手いやつなんてそうそういないし、心配はいらないと思うけど。
〈Pyonkichi〉『あたしいねーときのじゃん!w』
〈Senkan〉『おなじくwっていうかまだ復帰前だな、俺はw』
〈Hitotsu〉『ええと、お話の感じ、ロキさんは経験者さん、ですよね?』
〈Zero〉『だろうな。というか、武器も防具もけっこう廃レベルみたいだし』
〈Earth〉『今まではどこのギルドにいたのー?☆』
そしてあの動画にいなかったメンバーもメンバーで、また色々と発言するけど、あーすいいこと聞いたな。
これだけの装備持ってる人が、今までソロだったのはあり得ない。
というか野良プレイヤーで手に入る装備じゃないし、それなりの攻略ギルドにはいたんだろう。
ジャックが知らない人だから【Vinchitore】ではなさそうだから、あれか、もしかして俺やだいが抜けた後に【Mocomococlub】とかに入ったりしてたのか?
って、あのギルドで活動しながら
となると……?
〈Loki〉『あ、すんません!テンション上がっちゃって!』
〈Gen〉『よし、じゃあ改めて自己紹介してもらおう!』
〈Loki〉『うす!w』
はてさて。
新人くんはどこでそれだけの装備を手に入れたのか、彼が何を語るのか、俺はちょっとわくわくしながらその答えを待つのだった。
って、あれだよね、彼って思ったけど、この話し方で女ってこと、ないよね……!?
―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―
以下
―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―☆―★―
新キャラ登場!!
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本作スピンオフシリーズである『オフ会から始まるワンダフルデイズ~Side Stories~』。3作目となる〈Yuuki〉が掲載されております。
ゆるーく更新していきます。
本編の回顧によろしければ~。
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