三月二十五日 お礼兼デート

 今日は約束していたデートの日になった、千秋には悪いと思ったけど私の仕事のせいでなかなかデートの日程を組むことができなかった、デートの行き先は何気ないファミリー向けのショッピングモールだ。千秋の服を買うついでに私の服も買ってしまおう、後、前から気になっていたレストランがあるのでそこで昼食を食べて仕舞えばミッションコンプリートだ。


「千秋、此処ってきたことあるの、あんたにしてはみたとか間違えてないみたいし」

「あー、高校が此処から二駅くらいの所にあったから放課後ダチとゲーセンにだけ来てたんだよ。」

「なるほどね、確かにゲームでも無かったら、あんたが来るわけないか」

「なっちゃんひどいなぁ、僕ってそう言うふうに見えるのかよ。」

「そうよ、だからせめて服装で外見位誤魔化しなさい、第一印象良かったらあんまり酷いことされないから。」

「なにそれ、経験談なの」

「そう、経験談なのだからあんたもしゃんとしなさい。」

そう言うと、なっちゃんは僕の腕を引っ張って

「じゃぁまずこのお店の服から見よう、欲しいなって思ったのあったら声かけてね。」

僕は思ったなっちゃんこのお店君の好きそうな服しかないじゃないかと。


十分位経つとなっちゃんが僕にちょっと小声で声を掛けてきた。

「ごめんね千秋、あんたの好きそうなお店じゃ無かったね。」

僕はさっき思った事を言おうとしたがこう言った

「大丈夫だよ、なっちゃん今日は僕の服を買うのとなっちゃんへのお礼を兼ねてのショッピングなんだから。」

「今日の千秋なんだか男前だね。」

彼女がニヤニヤしながら言った。

僕はなんだか内心嬉しいようなもどかしい様な気持ちになった。

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