第24話 非国民制裁砲と巫女兵
眼を開けた時、木の年輪が見えた。焦点がゆっくりと定まる中、それは天井板であると気づいた。
登は自分が布団の中に寝ていたことに気づいた。薄暗い中だが、
そして部屋の
登は、一瞬ぎょっとした。そして、恐る恐るそれへと近づいた。光に時折、赤、青の色が混じる。少しして、その光が像を結んでいることに気づいた。一種のスクリーンのようだ。そう思うと、流れている映像を見極めたいと思った。
映像は、原発の制御室のようなところを映していた。背中に「
「“
中央の指揮台にいる背広の男が、そう言って指揮を執った。作業員たちが、よく訓練されたオーケストラのように一斉に動き出した。
「中央オペより射撃手。
「——射撃手より中央オペ。
「
「——発射!」
震動と
「目標の
指揮台の男が、答えた。
「そうか。人体の“再利用”は
「心得ております」
「
作業員が、指揮台の男に作業表を手渡した。
「次の“非国民制裁”は1730《ヒトナナサンマル》を予定。目標、吾妻景子、八島豪太などです」
「分かった」
その顔に映像はクローズアップされていく。指揮台にいた男は、だいぶ背中は曲がっていたが、登だった。
「な、なんだ。これは?」
登は、あわてて部屋を飛び出した。障子を開けて出た先には、
廊下を歩いて行こうとした時、「御目覚めになりましたか?」という聞きなれた声がした。
「ここは、
「ええ。留加の中枢・
「やしろ?」
「ここには
「みこへい?」
「留加大社、そして異世界に通じる“
巫女の
吉村は一礼して、巫女を返した。
そして登の方に体ごと向き直った。
「
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