第7話 侵入禁止の話題
「おはようございます。ご主人様」
めぐみの声と、ドアをノックする音。
「朝食の準備が整いました。失礼いたします」
「おい、やめ……」
熱帯夜の続く中、寝巻は汗だくになっている。とても同年代の女性に見せられたものではない。
だが、めぐみは、登のスウェットを手早く脱がせた。そしてズボンに手をかけた。
「失礼します」
「お、おい……」
脱がせるときに、彼女の指先が登のパンツに触れた。しかし嫌そうな表情もしなかった。むしろ、登の方がドキリとしてしまった。
めぐみは、かいがいしく働いていた。
少女、それも赤の他人に着替えまで手伝わせる男って、
登は、心の中で親父に対する
「行ってらっしゃいませ」
めぐみの
登はそもそも性的なことが嫌いだった。
一方、男子と話さない分、女子とはよく話した。登の経験上、女子は性的な話をあまりしない。男子が女子を困らせようとして性的な話を振ることはよくあるが、逆はほとんどない。
だが、女子とばかり話しているので、男子から女好きと
登は、早速クラスメートの顔を次から次へと思い浮かべた。
最後に思い浮かんだのは
とにかく
「無意味なことを考えたな」と登は、ひとりごちた。
学校の正門が見えて来た。今日もサングラスをかけた生活指導の先生が「コラッ、あいさつしろ!」と声を張り上げていた。
「大人は、無意味なことしかしない」
登は、そう
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