726.先陣
ぽよーん、ぽよーん。
ワープボールの行き交う第2層。これに当たってしまうと戻されてしまう。
ステラが顔を引き締め、
「私がルートを見極めますので、そのルートを通って頂ければ……!」
「そうだな、そのほうが確実だ」
ワープボールは思ったよりも多く、間隔が狭まっているところもある。
「ウゴ、久し振りだけど頑張る!」
ウッドもやる気だな。
「みんなの走りに期待ぴよ!」
「わふー、みんな頑張れなんだぞ!」
というわけでステラから進んでいく。すたたたっと軽快に走り、ワープボールを避けていく。それでいて、速過ぎはしない。目でしっかりとステラのルートを追えていた。
ある程度進んだところでステラが立ち止まり、こちらに手を振る。
「じゃあ、次は僕が行くね」
2番手はナナだ。羽をぴこぴこさせ、前に進み出る。
「いっくよー!」
ぽにぽにぽに!
普段の動きとは比べ物にならないほど、ナナが機敏に動く。特訓のときも本気ではなかったのか……?
あっという間にナナもステラのもとに到着した。うーむ、早い。
その次はレイア、ウッドと進み――ついにコカトリスたちの番になった。
「ぴよ……!」(ついに運動のときが……!)
「ぴよよー!」(気合い入れていくぞー!)
ぽにぽにぽにぽにぽに!
足音を鳴らしながら、コカトリスはどどどっーと突撃していく。
「ぴよ! 当たるぴよ!」
「ぴよー!」(とおーっ!)
「ぴよよっ!」(回避回避ー!)
おお、
「わふ。ちゃんと紙一重で回避できてるんだぞ」
「そうだな……。しかもスムーズに移動できている……」
特訓のときも速かったが、今はさらに速い。
ぽにぽにぽに!!
ときに5メートルも飛び跳ね、地面に這いつくばる。むにーっと平べったくなり、ワープボールの下をくぐり抜ける。
普通の人間には不可能な動きでコカトリスたちも難なくクリアした。
「最後はとうさまぴよね」
「れっつごー! だぞ!」
「よし……!」
俺はタイミングをはかる。右、左、右……ワープボールの動きを見極め、俺はダッシュでひとつめのワープボールの横を駆け抜けていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます