くる 短編小説集

洗濯機

今日は篠突くような雨が朝から降っていた。

まだ午後を少し回った時間だというのに外は暗く、雨粒が激しく窓を叩いている。

こんな日は偏頭痛がひどくなるから思考回路が極端に低下して何も考えられなくなる。

おまけに今朝から洗濯機の調子が悪く、ごとんごとんと石でも回しているような音を立てるので余計に頭へひびく。

ずきずき痛む顳顬（こめかみ）を押さえながら、ふとドラム式の洗濯機は脱水の時にガタつくとネットのレビューに書いてあったことを思い出す。

洗濯から乾燥まで一度も出さずに終わるなら少しのガタつきぐらい我慢できるかと軽く考えて買ったはいいが、やはり毎日使うものなのでいますごく後悔している。

息子がシーツとベビー服を汚してそれをまとめて回しているから洗濯機がムリをしてるかもしれない…。

薬を含んで水で流し込む。

はぁ…。頭が痛い。

とりあえず、静かなうちに寝ておくかとソファーに深く座り目を閉じる。

何か大切なこと忘れてるような気がするけど、ひと眠りすれば偏頭痛も取れて思い出すだろう。

ごとんごとん…。洗濯機はあいかわらず騒がしい。