猫の恋
どこからか猫の声がする。
甘えるようなそしてどこかすがるような声。
猫はいま恋の季節なのかとぼんやり考えていたら声は意外と近くから聞こえてくることに気づいた。
あぁ…ああぁ、あぁ…
か細く、そして時折力強く。
あぁ、ああぁ、あぁ…
もしかして、床下に入り込んでる?
大変、床下は…
慌てて立ち上がろうとすると突然、膝の上に猫ほどの重さの気配が乗ってきた。
あぁ、ああぁ、あぁ…
もしかしてみぃちゃん?
小学生の頃に死んでしまった猫の名を呼び声をかけてみるが返事はなく気配はすっと消えた。
そんなはずないか…
少し残念な気持ちでふたたび立ち上がろうとすると気配はゆるゆると実体を現し、私の足を小さな両手でぎゅっと掴み産声を上げた。
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