異世界転生!?
第1話
………
……
…
「…んっ、ここは?」
どうやら路地裏のようだ。
「なにが起きた?まずは状況の整理から…」
俺の名前は峯岸海斗。大人気ソーシャルゲーム『軍艦姫士』の16位ランカーである『Emperor』の中の人。住んでる場所はセントラルアストラエアの榊原区。
「それで課金する為にコンビニに行ったところ、トラックに轢かれそうだった女の子を助ける為に、横断歩道に飛び出した、と」
そんなベタな状況で今俺がいるのは病院でも自宅でもなく、路地裏。つまり…
「異世界に…転生した!?」
雲の上ではない、ということはもうすでになにが能力が使えるのか!?ならばそろそろいかにもヒロインな感じの女の子が俺に説明をしにくるはず…
「………斗さん?……峯岸海斗さん?」
声?俺の名前を呼ぶ声がする。
周り見渡してみるが、誰かがいる様子はない。ではこの声は?
「男の声だ…ってことはこれから能力がもらえるのか?」
「能力?なんのことですか?というか喋れるなら大丈夫そうですね。ほら、起きて下さい」
起きる?思いっきり直立しているのだが。
「ん?なんだ!?地震!?」
身体中を揺さぶられる感覚…それを最後に、意識は途切れた…
と思ったのも束の間、またすぐに目が覚めた。そう、目が覚めたのだ。
目を開けるとそこは路地裏でも雲の上でもなく、榊原区立病院のベッドの上だった。
「夢…ってことか?」
「あ、峯岸さん、やっと起きたんですか。
つい妻にやってるように揺すっちゃったんですが大丈夫ですか?」
揺する?ああ。つまり地震はこの人が犯人だったのか。
「ええ、大丈夫ですよ。でも俺、撥ねられたんですよね?その…後遺症とか…』
「そこは大丈夫です。なんてったってSAの技術力ですよ?」
まあそうだろうこの街の機械やAIの技術力は、右に出るものはないと言われるほど発展している。
「あ、でも治療費とか…」
「それも大丈夫ですよ。貴方が助けた女の子、あの人、結構お嬢様らしくて。お父様が
威厳も何もなしに泣いて感謝してました。
それで、治療費もわしが出す。とおっしゃっていたので。」
「なるほど…あ!今日って何月何日でふか!?」
焦りすぎて舌を噛んだ。しかし、それは俺にとって死活問題なのだ。焦るのも無理はないと思う。多分。
「9月の21日ですよ。なので、事故が起きてから、ちょうど一週間です」
それを聞いて俺は絶望した。
「イベント最終日じゃねぇかああああ!」
その後俺は飛ぶように退院し、自宅のpcにはりついたのだった…
「ふ〜ん。あいつか」
「ああ。素質はある」
「あるっちゃあるが…なんか足りねぇなぁ」
「フフ…まぁそう焦るな。時間はたっぷりある。そうだろう?ナギ」
「そうね…まだ一年近くあるわ」
「んじゃ、気長に待つか」
「ああ、全ては…」
「「「我が主の為」」」
ー続くー
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