第2話

昼時になり客数がだいぶ減ったので俺は休憩を入れることにした。

椅子に座って薬草茶を飲む。ちょっと変わった味だが今日のもまずくない。

「ユウくんお疲れ様。今日のお茶美味しい?私が作ったんだけど」

一息ついていた俺の横に先輩のペリーヌさんが腰かけた。みんなの頼りになるお姉さん系エルフである。

「あ、お疲れ様です。美味しいですよ、ちょい苦めですけど」

「それさっきのうどんげで作ったお茶よ」

「ああ、ぼくが間違えたやつですね。へえ、こんな味なんだ」

「かなり珍しい花で、勿論体にもいいみたいよ。なんでもその花は3000年に一度しか咲かないなんて言われてるの」

そんなものをお茶に使っていいのか疑問だが、まあそれもこの薬草店ならではということだろう。

「本当に色々あるんですねこの店。はぁ、まだ全然覚えられないや。さっきもうどんげを馬糞と間違えましたし」

いやしかしなんで馬糞なんか置いてあったのか。

「あら。まあ確かに近くにおいてあるものね。色もちょっと似てるし。この世界の文字が読めないと大変よね」

「そうなんですよ。薬の棚の文字読めないからどこに何入ってるかわかんなくて」

「悲観することないわよ。私だって7,8年勤めてるけど薬の効能とかまだ覚えきれてないわ。完全にわかっているのメリアちゃんくらいだと思う」

俺とペリーヌさんはお手伝い係みたいなものだが、実はメリア(さっき奥で薬を調合していた人間の女の子)だけは違って、なんでも一級薬草士とか言うプロらしい。その資格を得るためには難しい試験を突破しなきゃいけないらしく、なんでもメリアは12才くらいで受かったとか。

「なるほど。ってことはペリーヌさん18くらいから勤めているってことですか?割と早めなんですね」

「ユウくん、詮索する子はもてないわよ」

「なんでもないっす、、、」

ペリーヌの異常なにこやかさからおぞましさを感じ、俺は引き下がった。ペリーヌさんにこの手の冗談はNGなのである。

「あら?あれ、お客さんじゃないかしら」

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