ステージ12 おっぱいは、大丈夫だから②

 たとえ、どんなにおっきいおっぱいであっても、


 たとえ、どんなにやわいおっぱいであっても、


 たとえ、どんなに弾けるおっぱいであっても。




 外れないブラホックはない。




 私の応援の甲斐もあってか、3つのうち2つのブラホックが外れた。


 坂本くん、ナイスッ!


 けど最後の1つ。これはラスボス級!


 1つになった支点。


 全てのブラジャー&私のおっぱいの力がそこに注がれた。




 それを外すのは至難の技。


 力任せでは決してダメ。均衡は打ち破れない。


 今の坂本くんにはムリゲーってやつ。




 私は坂本くんにぎゅーっと抱きついた。援護射撃だ。


 私のおっぱいがつぶれ、背中に余裕ができた。


 それでやっと、坂本くんは最後のブラホックを外した。




 よくやったわ、坂本くん。今日のところは充分よ。


 けど、次はブラホックくらい独りで外してよ!


 さぁ、次の工程へいきましょう!


 ブラ脱がしよ。




 私は最初に左肘をつけて、坂本くんの顔を撫でた。労いの意。


 坂本くんは褒めると伸びるタイプだと思うから。


 そして脚を伸ばして胴体を浮かせた。


 すこし遠ざかった背中。


 抱きしめたくても、抱きしめられない距離。


 私を手放したくなかったら、ちゃんと捕まえていてよ!




 私は身体を小刻みに揺らした。


 あまり長くやると、おっぱいが千切れそうになるから、短い時間だけ。


 大きなブラジャーが自重で少しだけ下がった。


 けど、複雑な紐が腕に引っ掛かる。完全には落ちない。




 私は『I love you.』の合図を送った。 


 左手で坂本くんの右耳を擦る。


 カサッ、カサッ、カサッ! っと、3回。


『ア・イ・シ・テ・ル』だと長いから。




 坂本くんが動き出した。私の合図に呼応して。


 ブラのカップを鷲掴みした。


 結構大胆。昨日まで、下着1枚であんなに興奮してたのに。


 成長著しいぞ、坂本くん。偉い!


 私もサービスして応えなきゃ!




 私はときどき身体をくねらせた。


 不可抗力を装った、おっぱいの押し付け。


 ブラを完全に脱がすのは、今の坂本くんには不可能かもしれない。


 けどおっぱいの刺激に少しずつ慣れてもらわないと。




 私は上半身を坂本くんに乗っけた。


 まだブラジャーは完全には脱げていない。


 カップからおっぱいがはみ出しただけ。


 けど私のおっぱいは、坂本くんに直に触れることができた。




 気持ちいいのと癒されるのと、両方が私を襲ってきた。




 坂本くんと1つになっていくような、そんな錯覚にさえ陥った。




 あと少し。あと少しで完全に1つになれたのかもしれない。


 そのとき……。




 ガチャッ、ウィーンっという機械音がした。


 徐々に光が差し込んできた。


 シャッターが開いたみたい。




 ブォーンという、ものすごいエンジン音。




 モンスターマシンの登場。PR対象。


 なるほど、これは大仕事になるわ。




 シャッターが閉じ、再び闇が訪れた。

 しばらくしてエンジン音も鳴りを潜めた。


 数秒の静寂。


 のち、社長とあゆまりさんの喋り声。


「遅かったな」

「申し訳ございません。高速が混んでまして……。」


「言い訳だな、減給。それから遅刻、寮を没収する!」

「そんな……また野良に逆戻りなの……。」


「不服か? ならば首にするまでだが」

「めっ、滅相もございません!」


「……直ぐに支度しろ!」

「はいっ!」




 あゆまりさんが支度に取りかかった。騒音が増えた。


 それに混ざってコツコツという靴音。


 徐々に大きくなった。社長ね……。




 靴音が止み、車の後ろのドアが開いた。


 うっすらと光が差してきた。


「少年。うちの商品に傷付けるんじゃないわよっ!」


 私たちはキスを辞めた。


 あっ、いっけない。このままじゃ坂本くんが干からびちゃう!


 だってさくらおっぱいに触れているもの。




 けど、巫女装束のとき、坂本くんは自ら揉みにきた。


 何のダメージも喰らわずに着付けを完成させた。


 あれが偶然とは思えない。何かあるはず。


 それを確かめるのは、今じゃない。




 今はビジネス。社長の管理下。




 私は転げるようにして坂本くんから離れた。


 ごめんね。けど、全ては坂本くんのためなの。許して!


 立ち上がった坂本くんはたち上がっていた。


「随分と粗末なものだな……。」


 同感です社長。それからコスパもとても高いんですよ。


 あっ、それじゃ修行の成果をアピれない。


「大丈夫! 社長は、イッても大丈夫だからっ! おっぱいも、大丈夫だからっ!」


 坂本くん、耐えて! 堪えて!


「えっへへへへっ! これくらい、朝飯前です……。」

「キモい。あっちへ行けっ!」


 坂本くん、言われた通りあっちへ行っちゃった。イッたに違いない。




 モンスターマシンがお目見えした。


 かっちょいいスポーツカー。


 免許とったら乗りまわしたい!




「また勝手に宣伝するんですか」

「そうだ。時価総額は1兆2000億円だぞ。お買い得だろ!」


「どれだけ売るつもりなんですか?」

「本体価格、2億5000万。6億で2000と思っていたが……。」




「今日なら、8000はいけるかなっ」




 そう。今日はめっちゃ調子いい。今までにない山吹り方。


 これってきっと、坂本くんが頑張ったから。




「すごい自信だな。だったら、発注比率を変えるか」

「はい。こういうのは、たくさんあっても邪魔ですしっ!」


 1台は、今すぐにでもほしい。坂本くんを助手席に乗せて走りたい!

 免許ないけど、山吹さくらなら大丈夫な気がする。


======== キ リ ト リ ========


スポーツカーのステアリングを握るさくら、観てみたい。


いつも、ありがとうございます。


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明日からは、ロケーションを連投します。


今後ともよろしくお願いいたします。

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