第7話 アース創成期
「こんなんじゃ生きられない。」
「慰めも気休めさえも意味がない。」
鳥たちはわずかに絞り出した声で言った。
今日と鳥たちが所属するクライアはアース創造計画を実行していた。
“セイレーンとクライア、共に生きていける惑星を”それが目的だった。
エリートが集うセイレーンの殺戮集団との正当な法戦争と、身を隠し殺戮集団を騙しながら精神的な損傷を起こし弱点をついていく戦法をとるクライア。真っ当過ぎるセイレーンの戦法が彼らの生存場所を狭くしていたことアースを創造する理由のひとつだった。
アース創造計画は、惑星としての形ができた時に、殺戮集団に知られ出来立ての未完成の惑星で大戦争が起きた。すべての戦力を出すことで身バレするわけにはいかず、派遣されたのは鳥たちと今日というわずかな戦力。想像以上の苦戦を強いられた。
鳥たちは殺戮集団に捕らえられ若い樹木に吊るされた。翼の先を捥がれ、足をへし折られ痛みと共に絶望が襲った。
「帰ってくるまでに全てを吐け。」
アース創造計画についての詳細に対する説明を殺戮集団に求められていた。
「なんてやわな体力。わたしたちを手放す時間があるなんて。」
「今日、もう僕らには無理だ。」
ぎろりと最後の目力で睨んだ先の
「ほんとうのわたしは、亜種生物のゼリーなんだから。」
「そうは言ってもそのロボットの身体だって僕らが与えた
また、目が据わり、頭が悪くなっているんだろ。」
「ねぇ、こんなんじゃわたしたちがこれまで知略を巡らして戦争してきた意味が失せる。お願い、もう一度戦って。」
「
「わたしは、ゼリーとしての強靭な身体と攻撃力がある。」
「
僕らは短い期間だけ同じ身体で手伝うから。」
そこには、亜種生物の
「
「めんどくさいことは嫌いなの。自己を卑下することも諦めながら生きることも無理なの。」
「いずれ殺戮集団は
爬虫類という難しい身体の
鳥たちは決心したように、クライアの誰かから運ばれた薬を浴びた。そして全身の神経を尖らせみるみる身体は再生し、そして大きくなっていきゴツゴツの皮膚と鋭い爪や牙を持つ恐竜に姿を変えていった。
恐竜たちはマグマの噴火と隕石の落下という自然災害が起きるまで共に殺戮集団と闘争をし、そして消えていった。
取り残された
少々 夏の陽炎 @midukikaede
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