第3話 野球の始まり

野球部といえば大人数で、設備もしっかりしているのだと徹は思っていた。


だが、現実は部員10人。バッティグマシンや屋内練習場等も照明も無い。


練習もランニング少々のキャッチボール。部員は緩く練習しているが、野球初心者の徹は早くもバテていた。


ランニングは1番後ろ、キャッチボールは何度も落とす。それを見ていた家庭科の先生佐々木は「見込み違いでしたかね…」と渋い顔をしていた。


しばらくすると、グラウンドに大柄のサングラスをした男性が入って来た。見るからに野球部の怖い顧問の顔をしている。


「あらー!みんなぁ!野球してるのおおお?」


物凄い高音ボイスがグラウンドに響く。すると、部員は声の主の元へ走って整列した。


「みんなぁご苦労様〜。あら、この子新しい部員ちゃん?」


徹はどういう反応して良いのか分からなかったが、首を縦に振った。


「私は監督の大鎌(おおかま)よぉ!よろしくねぇん!」


徹はみんなの前に出て自己紹介をした。


部員は徹を入れると11人、全部員の名前とポジションは以下の通り


2年 投手 我利野 勉

2年 捕手 統 慶(とう けい)

2年 一塁手 社 公明(やしろ こうめい)

2年 二塁手 関 数人(せき かずひと)

2年 遊撃手 関川 遊(せきかわ ゆう)

1年 三塁手 門田 充(かどた みつる)

1年 外野手 桐ヶ谷 優作(きりがや ゆうさく)

1年 外野手 稲葉 二郎(いなば じろう)

1年 外野手 佐原 作(さはら さく)

1年 控え 氷河神 英二(ひょうがしん えいじ)

監督 大鎌


徹は思っていた。顔と名前がさっぱり一致しないと。


「それじゃあ、まずは入部した篠木ちゃんのお手並み見せてもらおうかしらぁん?」


監督がそう言うと、篠木はベースランニングや遠投をやらされた。打撃も見られ、監督はその様子を紙に書いている。


「篠木ちゃん、これがアナタの私なりに分析した結果よ!某ゲーム風に分析したわ!」


紙にはこう書いてあった


ミート D

パワー (低すぎて測定不能)

走力  遅い

肩力  弱い

守備力 外野手向き


徹は思った。某ゲームの要素ミートだけじゃないかと。ミート以外は能力としてはお話にならない、監督からはこうも言われた。


「肝心のミートも、当てても前に飛んでないからDなのか怪しいぐらいよ!打てない守れない走らないじゃ試合には出れないわ!!アナタは暫くの間は補欠よ!!」


野球初心者なので仕方ないが、徹にとっては厳しい宣告だった。とにかく練習をして野球に慣れるしか無い。徹は基礎練習を始める事にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る