第3話野郎だらけ(ひでと)

早朝の仕事にはもう慣れた。

というより、自分で選んだ道だ。もう俺にはこれしかないとしっかり頭でわかっている。

 「ざまーっす。」

朝から事務所に顔を出す。従業員は20か23かもうよくわからない。

「社長早いっすねー。」

「ばか、働かなきゃ家族にご飯食わしてやれないんすよ。」

「何言ってんすか!!」

「社長は安泰じゃないっすか」

「家族もいて愛人もいて・・・」

「愛人ゆうな彼女だよ」

このやり取りはもうテンプレと化している。

朝は数人と顔を合わせ、事務所の奥の社長室へ向かう。

うちの事務所はまだ禁煙を徹底していない。というより禁煙にする気はさらさらない。ひでと自身が愛煙者だから。

朝の事務所は愛煙者の集まりと化しているため、このご時世に似つかわしくないくらい煙で黙々している。

去年買った空気清浄機がすでに悲鳴をあげている。

朝食は車で済ませ、事務所で請求書に追われる。

それがひでとの一日の始まりだ。

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割れたダイヤ まーる。 @mannmari

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