第5話エルフのおねえさん

「うーん、ここわ…はどこ?」


王は最後にシャイニーナに薄い麻でできた粗末なワンピースを着せました。


村の人が着ているような格好です。


ひどく、凍えます。


コンコン


ガチャッ


「ようこそ魔界へ。シャイニーナ姫。…って、え?シャイニーナ姫?どうしたんですか?そんな格好で!」


「ぐすん…おとーさま、おねーさま……あなたはだれ?」


入ってきた女性は、目を見張るような美人でした。


白く輝く金髪。


輝くエメラルドグリーン色の瞳。


白く透けるような肌。


少し先のとんがった耳。


(…エルフ…)


シャイニーナはそう思いました。


「あ、申し訳ございません。初めまして、シャイニーナ様。私はエルフのヒヨ。気軽にヒヨと呼んでくださいね。この魔王の城で、侍女長をしています。というかシャイニーナ様。その格好はどうされたんですか?早く着替えてしまいましょう。凍えてしまうわ。」


「ううん、ニーナと呼んで?わたし、おーさまにあいたい…」


ヒヨは思いました。


この姫、教育を受けていないのかしら…!!と。


それもそのはず。


シャイニーナは教育を受けたことがありません。


ベルリーナが勉強する横で、なにも教えられずに育ちました。


なので、8歳になった今も、言葉がうまく喋れません。


「わかりました、ニーナ様。魔王様の所へ行きましょうか。」


「…うん…」


◇◇◇


「…よく来たな、シャイニーナ。どうしてそんな薄着を?君は王族では無いのか?」


「でも、おとーさまがこれ着せました。ニーナはいけにえになるから、ごうかなどれすをきなくていいって。ニーナたべられちゃうんですか?ニーナこわいです。」


「…いけ…にえ?…」


「?」


「どういうことなんだ?」

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