第4話 変わり壊れた心

「いや!おとーさま、たすけて!たすけ…」


フッ


「行った、か。」


ガチャッ


「お父様、シャイニーナは?」


「ベルリーナ…シャイニーナはね、お前の代わりに、生贄になったんだ…お前は、そのおかげでたすかった…」


「え…じゃあ、本当なの?シャイニーナが魔王の生贄になるって…」


ベルリーナは知っていました。


シャイニーナがなんのために連れてこられたか。


使用人の話を耳にして。


その言葉は、10歳の時のベルリーナの心を壊していました。


でも、大きくなるにつれ、理解しました。


自分のためにやってくれているのね、と。


私は、助かって幸せな人生を送れるのね!と。


「ありがとう、お父様。よく考えたら、せっかくの人生だもの。王族が生贄なんて、勿体ないわよね!」


もう、ベルリーナに子供の頃のような感情はありませんでした。


ベルリーナは、4年間で変わり果ててしまったのでした。


◇◇◇


「うーん、ここわ…はどこ?」


王は最後にシャイニーナのに薄い麻でできた粗末なワンピースを着せました。


村の人が着ているような格好です。


ひどく、凍えます。


コンコン


ガチャッ


「ようこそ魔界へ。シャイニーナ姫。…って、え?シャイニーナ姫?どうしたんですか?そんな格好で!」

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