第10話

殿下の答えに私は頷き固定します


「正解です、私の調べでは彼が全てを揉み消し、殿下とマリン様を入学してから同じクラスにし、さらには授業中殿下に話しかけるマリン様を注意しようとした教師に圧力をかけています。」

「あいつっ!!‥‥‥ちょっと待て」

「はい?」

「なぜ、マリンと俺が入学してからクラス一緒なのや授業中俺にまとわりついていた等を知っている?クラスについては記録を見れば分かるかもしれないが、授業態度等は分からないはずだ、俺は今年一度も授業に出ていない、」

「まぁ、そんなことはどうでもいいではありませんか」

「よくないわっ!!それによく考えればいくら学園長でも全てを隠蔽できるほどの力は持っていないはずだ、本人は伯爵だし、いくらササリア侯爵婦人が出てきても騎士団やそれこそ法務に被害届を出せば「王妃様が出てきます」え?」


殿下の言葉に被せるように言った私の言葉に殿下は信じられないと目をいっぱいに広げ、さらに口を大きくあけました。いくら美形でもこの顔は間抜けですわね‥‥ぷぷっ


笑うのを我慢しながら私はさらに言葉を続ける。


「調べでは過去に、マリン様の標的の中には騎士団に勤める父にもつ令息と法務に父を持つ令嬢がおりました。最初は二人とも親には黙って対処していたのですが令息はマリン様の取り巻きに令息複数人に暴行され入院、理由はたしか‥‥マリン様にぶつかってしまったとか、令嬢はも同じような理由で暴行などの肉体的な物はありませんでしたが私物を隠され、捨てられ、回りからは無視され精神的に鬱ぎこんでしまいこれまた入院しました。事情を知った二人の親はそれぞれの上司に報告、法務も騎士団もさすがに動こうとした時に王妃様から呼び出しを受け、彼らの親と一緒に捜査をした人全て、法務は閑職に追われ全員退職、騎士団も地方へ左遷されこちらも退団しております」

「‥‥‥まさかっ!!いくら母上でもそこまでは‥‥あ、す、すまない‥」


殿下は立ち上がり私に向かって唾が飛んで来そう、いや、実際は飛んできますた。それほど取り乱してしまわれました。

私は懐からハンカチを取り出し殿下の飛ばした唾を拭いました。私の行動を見て殿下は取り乱したことを謝罪してきたので、まぁ、後でお仕置きはしましょうか


「たしかな情報です」「っ!!なんてことだ‥‥‥まさか、まさか、ここまで‥‥みな、すまない‥‥」


私が断言すると殿下は顔を両手で覆い声を震わせながら謝罪されました。これがこの国の第一王子、私は殿下を見て

ああ、彼は自分がいかに回りを見ていなかったのか理解されたのだと思いました。

正直、マリン様の暴走を止められたのは殿下だけだったと思います。マリン様はあれでも殿下にベタ惚れなので殿下が諌めれば少しは被害を減らせた事でしょう。推測ですが


私は椅子から立ち上がり今も下を向き独り言をぶつぶつと言いながら自己嫌悪に浸っている男の横に立ち


「殿下」

「ふぐっ!!!!?」バタン「かはっ!!?」


殿下の横っ腹におもいっきり蹴りを入れました。私の蹴りをもろに受けた殿下は椅子を倒しながら地面に倒れ、脇腹を押さえながら呻きます。私は殿下に近づき


「がはっ!!?」


さらに腹に蹴りを入れます。

はぁ、少しはすっきりしました~


この時の事を気配を殺し黙って見ていたルイスは後にこう語ります。


「あの時、お嬢様の顔はまさに天使のようにお美しかったです」

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