第3話

「やれやれ、お父様にもこまりましたねぇ」


あれからお父様を拷おっと、取り調べてわかったことに私は重いため息をつきました。

お父様が言った私の婚約者はカルロス・ムルール公爵子息、ムルール公爵嫡男であります。ムルール公爵はたしか、現在宰相の職についておりとても真面目でまっすぐな方です。ですが嫡男のカルロス様は、まぁ一言で言えばバカ息子で勉強、マナー、武術全くできず、唯一の取り柄は容姿しかない、さらに自分中心のグズでした。公爵はこのままでは不味いと考え婚約者を作り自立や自覚を促す積もりだったようですが悪評が立ちすぎてどこの貴族も取り合わなかったそうです。そこへうちのバカ父が私を売ったと言うことでした。

私は勉学、マナーは学園主席ですし、武術などもある程度は嗜んでいます。それを知った公爵は喜び是非にと私を望み、父は目の上のたん瘤である私がいなくなることに喜んだそうです。

余談ですが、なぜそんな有能な私に今まで縁談がこなかったのかと言うとですね?縁談が来るたびに父をどつき回し、縁談相手を捻り潰しプライドをめちゃくちゃにして断らせていたのです。極秘ですがね?

さて、どうしましょうか?

いくら父を引退させても一度お受けした縁談を断るわけにはいきません。ましてや相手は格上の公爵家、どうしますか‥‥‥


私は目を閉じ、思案をはじめました。

そうしてしばらく考え込み、


「これしかありませんね‥‥‥」


私は目を明け、重いため息をつきながら決心をしました。

これしかありません、あまりしたくはありませんが‥‥あんなバカ息子と結婚なんかしたくありませんし

私も女です、結婚相手は好きな人がいいです、さらに私の言うことを聞けばなおよろしいですが、それは結婚後相手を調教すればいいことです。ふふ、私なしでは生きていけなくしてあげます。


さて、何からいきますか?


これからの事にすこしワクワクしている自分に笑みが溢れます。


☆☆☆

翌日私はフランダーナ学園に来ています。

生徒である私が来るのはまぁ当たり前ですよね?しかーし!!今は授業中なのです!!そして今私のいる場所は学園の屋上に通ずる扉の前です。

なぜ私が授業中にこんな場所にいるのか?

それはこの時間この場所にある人がいるからなのです!!

それではいざ!!参ります!!

私は扉を勢いよく開いた、扉はものすごい音ともに開き、その音を聞いて扉の先にいる人物はビクッ!?と体を震わせた。


「‥‥誰だ?」


そこにいたのは黒髪の青年、私は彼の名を知っている。


「ごきげんよう、ライル・アースハルト殿下、私はアマリリス・ベスターと申します。本日は殿下にお願いがあり、こうして参りました。突然の無礼をお許しください」


私は教師からべた褒めされた自慢のカーテシーをした。


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