第2話
皆様初めまして、私はアマリリア・ベスターと申します。私は今父の書斎にいますの、目の前に座るは我がベスター伯爵家当主ハロルド・ベスターです。
父は重苦し空気を出しながら口を開きます
「リリア、お前の婚約が決まった」
父の言葉に私は
「は?お父様なにか言われましたか?」
聞き返した私に父は再度同じ言葉を口にします。
「お前の婚約が決まった」
私の返事は決まってます
「は?お父様なにか言われましたか?」
「だから!!お前の婚約が決まった!!」
自分の言葉を理解しない娘に父は少し興奮気味に言います。なので私は
「は?お父様なにか言われましたか?」
今度立ち上がり大声で叫ぶ父
「だから!!お・ま・え・の・婚約が決まった!!」
「は?お父様なにか言われましたか?」
「お前のこグフッ!!!?」
いけないいけない、あまりにも耳障りだったので手元にあったティーカップを投げてしまいましたわ。お気に入りでしたのに‥‥
投げられたティーカップは寸分の狂いなく父の顔面にぶつかり、父は床に倒れ込みました。
やれやれ
私は立ち上がり踞る父の腹に足を乗せます。
もちろんヒールの踵に体重を乗せるのを忘れずに
「グフッ!!!?」
私の足に踏まれ父は呻き声をあげます。
いやですわ、蝶のように軽い娘に踏まれたくらいで呻くなんて、鍛練が足りないのではありませんか?
私は父の呻き声をスルーして口を開きます。
「お父様?それで?なんといいました?」
「り、リリアっ?父を踏みつけグフッ!!」
私の質問に答えないので体重をさらにかけてお仕置きです。全く私が学園に行って普段屋敷にいないからと最近調子に乗っているのですね?よろしい、また再教育ですわね?
私がお父様再教育プランを思案していると下にいたお父様が口を開きました。
「こ、この婚約は、と、取り下げることはできんっ!!もうすでに了承の返事もした!!いくらお前でも覆すことはできんっ!!」
ふむ、お父様は本格的に私を裏切ったようですねぇ~、
しかたありません
私は懐に隠し持っている鈴を鳴らします。
すると上から三人の黒装束が現れました。
「!?」
驚くお父様をスルーし、黒装束の一人が私の前に出ます。そして膝まずき頭を垂れます。
「お呼びでしょうか?」
「お父様は家督をアレク兄様に譲り引退します。一人はアレク兄様に伝令、一人はお父様の引退手続き、一人はお父様を速やかに領地にお連れしなさい、あとは言わなくても分かりますね?」
「「「はっ!!」」」
そして私はお父様の書斎を後にしました。
後ろからお父様の悲鳴が聞こえた気がしましたが気にしないことにします。
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