私は非常に我が儘なのです!!
伊佐波瑞希
第1話
「アマリリア・ベスター、私は貴様とは結婚しない!!」
ルナティック王立学園、貴族の子息令嬢が通う学園、そこにある食堂の中央で騒ぎを起こっている。騒ぎの中心で大声をあげる金色の髪をした男子生徒、その横で男子生徒に抱かれているピンクゴールドの髪をした女子生徒の二人が対面に立つ銀色髪をした女子生徒を指差し声高らかに宣言する。
「なにを言っているのですか?」
銀色の髪をした女子生徒、アマリリアは意味が分からないと困惑気味に返答する。
「貴様は私の愛するルシアを苛めているな?」
「だから、何を言っていっているか私には分からないのですが?」
アマリリアの話を聞かない男子生徒ことカルロス・ムルールは隣で抱き寄せている愛しのルシアに良いところを見せようとさらに続ける。
「まだ認めぬか!!貴様はルシアに嫉妬し、取り巻きの令嬢達を使って嫌がらせをしていただろ!?証言もとれている!!おい」
カルロスが首を振ると三人を取り囲んでいた生徒達の中から三人の令嬢が出てくる。
「お前達はアマリリアに言われルシアに嫌がらせをしていたのだな?」
「は、はい!!私はアマリリア様にルシアさんの私物を隠すように言われました!!」
「わ、私はルシアさんが歩いているときに足をかけて転ばせれるようにと、」
「私もルシアさんに悪口を言えと言われました、断ったら家に圧力をかけると‥‥‥」
それを聞いた回りの生徒達は口々に騒ぎだした。
はぁ、この茶番劇いつまで続くのかしら?
私が呆れているとカルロスは我が意を得たりと勝ち誇った顔で更に続けようとする。
するとそこへ
「これはなんの騒ぎだ?」
その声を聞いて騒いでいた生徒達は黙り混み後ろを振り返え驚いた顔をした。そして声を出したであろう人物がいる近くの生徒は道をあけ中心にいる三人の所へとその人物は近づいていった。
そこにいたのはこの国の第一王子のライル・アースハルトだった。
その殿下を見た三人も各々の感情を顔に出す。そして殿下は口を開いた。
「これはなんの騒ぎだ?ベスター令嬢?」
殿下はアマリリアに話しかけた。
話しかけられたアマリリアは困ったような顔をして口を開く。
「それが私にも分からないのです。いきなりそこの方に「お前とは結婚しない!!」と言われ、さらにはあちらの女性を私が彼に対する嫉妬から苛めていたと、そしてあそこにおられる三人のご令嬢方が私の指示を受けて女性を苛めていたと、私にはなにがなにやら‥‥‥」
「貴様!?まだしらを切るか!!」
「アマリリア様!!私は怒ってません!!どうか罪をお認めください!!」
「「「そうですわ!」」」
私の言葉に正面のカルロス、ルシアが反論し、そこに三人の令嬢がバックコーラスのように付け足す。
それを聞いた殿下は笑いだした。
「くく、これは面白いな、ベスター令嬢、」
「笑い事ではありませんわ」
「これは失礼、だが一つ確認をしたいのだがいいかな?」
「なんでしょうか?」
殿下は真面目な顔をして私に問いかける。
「君は誰の婚約者だったかな?」
「それはもちろん、私は生まれた瞬間からライル・アースハルト第一王子殿下の婚約者ですわ」
「「「「「え?」」」」」
そう、私の婚約者は目の前にいる第一王子ライル・アースハルト様なのです。
間違ってもカルロス・ムルール公爵子息ではありません
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