第5話

「これ、どこに向かってんの?」


 俺たちはあれからバスに乗っていた。周りは少し暗くなってきている。


「そう急ぐな、少年。着けばわかる」


 と言われてしまえば無理に聞くこともない。


「そういえば、お前らのシナリオの中でお前らの序列はどうなってんの?」

「その言葉、絶対撤回させますからね。……私は第九位です」

「私は第七位だ」

「なるほど。設定的には、能力が低いもの同士で組んで生き残ろうって算段か」

「否定はしません。でも序列と能力の強さは関係ないって言いましたよね?」


 キレ気味に諭される。能力が低いと言われるのはあまりいい気分ではなかっただろうか。


「悪かったよ。ちなみに、俺の序列は?」

「この男、これが聞きたかっただけですよね。でも、ざんね〜ん。あなたも私と同じ底辺能力者です〜」

「お前の序列は第八位だ」

「七、八、九で同盟かよ。俺らの上で同盟組まれたら、ほぼ負け確定じゃねえか…」

「それはないと思いますよ。上の人たちは一人で充分戦えますし」

「ああ。それに上の奴らは性格に難ありといった感じでな」


 最初に拳銃を撃ってきた女がこう言ってますが。完全に一番ヤバイのはお前だろうよ。


「ってそういえば、お前、拳銃。あれモデルガンじゃないよな!法律違反!」

「問題ない」


 そりゃ、お前的には問題ないかもしれんが、銃刀法に違反してんだよ!


「いや、あのな」

「大丈夫です。これは殺し合いと言ったじゃないですか。それに今から行く場所で理由もわかります」


 俺は渋々ついていくことにした。

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