第4話
「佐々木ともえって、俺の姉かよ。つくづく変人だと思っていたが、あんたらの仲間だったとはな。………でも、死人の名前を出すのはちょっとフェアじゃないんじゃないのか」
「そう怒るな、少年」
俺は、指摘されてはじめて自分の声がひどく低くなっていたことに気づく。
「彼女は、序列第一位『奪うコト』の能力者でした」
事務的に、霧隠は言った。
「なあ、さっきから言ってる序列って何なんだ?」
「序列とは能力の効きやすさです。序列第一位の能力は10人の中で最も強く他の9人に影響します。逆に序列第十位の能力は最も影響力が弱いです」
「それじゃ、第一位が有利すぎないか?」
「いえ、そんなことはありません。能力の影響力と強さは別物です。それに序列が高いほど対象の範囲は狭くなります。まあ、第二位と第五位は反則級ですが」
「あの腐れ金髪と筋肉ダルマは能力がめちゃくちゃだからな」
「お前らが作ったシナリオにしちゃ、お前らにとって都合が悪いな」
「私たちをいつまで厨二患者扱いする気ですか!」
「信じろってのが無理な話だろ?」
「それは、その…」
霧隠は、そう言ったきり俯いてしまう。
「あまりソイツをいじめてくれるな、少年。証拠が欲しいというなら、少し場所を移動しようじゃないか」
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