第21話


対応

*ヒューゴ目線~


素早い対応で、部屋を準備をしてくれた

ギー二に感謝しながら俺たちは部屋に入った。

めんどくさい騎士様、くま男を迎え打つために、

営業妨害をして下さったらしいので

最高のおもてなしをする予定だ。

これといった対策はないのだが、ハルト様を

お守りするぞ!!と意気込んでいた。


ハルト様に部屋の使い方を教え、万が一

防御が崩れた際に、抜け道に出た所は

すぐ目の前の小屋があるから、

そこに入り、入り口に魔力を流して欲しいと

伝えた。

ここから一番近い俺の隠れ家だが、

数日に一度は、防御を張っているので

安全な家だった。


間をおかずにすぐにやってきたらしい騎士様。

ギー二は独特の合図で知らせてきた。

「あっ、三三七拍子。」

「えっ?さんさん…?」

ハルト様は嬉しそうに三三七拍子の説明を

してくれた。

何でも場を盛り上げたり、もともとが

応援した理する時に使うリズムだそうだ。

「応援かあ。このリズムより、貴方様からの

キスが1番の力になります。」

「ば、バカ。」

顔を真っ赤に照れたハルト様にかぶりつきたく

なるのをグッとこらえていた。

「め、目を閉じて下さい。ヒューゴさん。」

にやける顔をそのままに

「仰せの通り……。」

素直に目を閉じると、そっとほっぺに

ハルト様の唇が……。

「足りません。口にお願いします。」

「……。」

きっと真っ赤な顔で可愛く焦ってるだろうなぁ

と想像しながら、目を閉じてまっていた。

「ちゅっ。」

口に僅かながら、そっと触れるだけの

バードキッス。

「これはこれで、いいけど、失礼します。」

チューっと、俺は天使様の口腔内を

たっぷりと味わったのだった。

結果、右頬に可愛い手形が付けられました。

涙目の天使様は、襲いたくなるほど可愛いが

これ以上またせたら、貸し4が貸し5に

なるし、ギー二の句読点を忘れた小言が

多くなるので、泣き泣く部屋を出た。

もちろん、おまけのキッスもいただきました。

可愛い怒鳴り声に見送られました。


さあ、くまと戦おう!!


青筋を浮かべた営業スマイルのギーニ。

お・そ・い・ぞ・ご・らぁ!!

って感じの目線をかわし、補給済みの

全開戦闘態勢営業スマイルを駆使していた。

「初めまして。私がこの当ギルドマスターの

ヒューゴ・カナップと申します。

よろしければお名前とご用件を、承ります。」

多少の威圧もかけたのに、口元がニヤリと

した相手くま野郎は、

「申し遅れてすまない。俺は

プーエル・ベアラ・リストンと申す。

再々来たが大変忙しいとやらで

ご不在が続いたようで、やっと

お会いできてうれしいです。」

「それはそれは、何度も何度も何度も

申し訳ないですね。ご用件は

一体なんでございましょうか?」

「人探しだ。」

「人探しでしたか。少し場所を移動しましょう。」

ギー二にお茶を頼み、ごく一般的な客室に

丁重にご案内しました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る