第19話
依頼
私はヒューゴ・カナップ。
冒険者をしながらギルドマスターをしている。
最近月に数回だけ、ギルドに行き困り事が
ないか行く程度だ。
ハルト様のランクアップ時には、フードと
カツラをかぶせた上に、幻惑をかけハルト様を
見た瞬間から記憶に残らないようにしていた。
そしてギルドカードの更新や獣の皮、
薬草採取の一部、最近では俺と一緒に
薬も作っているので、それらを売るために
俺の用事がある日と被せて、ギルドに
一緒に来ていた。
天使のハルト様に会うまでは、事務仕事より
山や森を駆け抜け魔物狩りをしていたので、
ギルドにあまり出勤していたなかった。
だから、俺が行かなくても大変優秀な
ギルドマスター代行のギー二がしっかりと
きりもりしていた。
冒険者ランクはA級で、新人の冒険者にも
優しく手ほどきする、大変優しい
ギルドマスター代行。
みんなに優しすぎて、いつもふられている
ギー二は、珍しく焦っていた。
周りには薬草を育てるのにハマってしまい
必要な時は、魔法の手紙で知らせてくれっと
事づけていたにもかかわらず、焦りながら
お姫様抱っこをしているハルト様を
気にかけることなく、話しかけてきた。
「うわぁーヒューゴ様大変なんですよ~
毎日毎日どこをほっつき歩いているんですか?
たまにはちゃんとギルドマスターらしく
事務仕事を私におしつけず
しっかり働いて下さいよ。」
「すまんすまん、だからギーニ、句読点を
置き忘れずゆっくり喋ってくれ。」
ギーニは、普段は優しいのだが興奮したり
怒ったりすると、凄まじい勢いの早口で
反論を許さないかのような喋り方をしてくる。
だが見た目が可愛い部類に入るらしく
大変もてるが、優しすぎてふられてしまう
可哀想な奴だった。
「何ほうけてるんですか?
私の話を聞いてるんですか?
いつもいつも言ってるでしょう。
毎日とはいいませんが
もう少し多めに出勤して下さい。
またあの依頼が来ていてしかも昨日なんか
5時間もむさ苦しい王宮騎手の相手を
我慢しながらしてたんですよ。
もう~仕事は滞るしぃ
皆んなの志気は下がる一方だしぃ
もぉ~営業妨害としか考えられないわ。」
「悪かった……。」
「まあ、お姫様抱えて毎日毎日新婚
イチャイチャイチャイチャイチャラブ
したいのはわかりますが…,」
「し、新婚?!」
「あらっ。麗しい姫君の声だ事。
お顔もたしかに可愛わね。あら、
うらやましくなんかないわよー。
ただ一言、ヒューゴ様、お願いだから
めんどくさいので、あの騎士の対応
お願いします。きっちり仕事してください。
つい最近、2、3日に一回は来るから
思いっきり面倒いです。」
「面倒い…のか……。」
王宮騎士?でも、なんだか心の奥がザワザワした。
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