第11話
マジか。
*正道晴人目線~
「ベアラさんは、器用だねぇー。」
大きい庶民服(俺用)の裾上げをしてくれていた。
上の服はもともとが半袖だったから
なんとか7分袖~8分袖になっていた。
上服は、腰紐を巻いたり、そのままでも
いいそうだ。
「自分でしなきゃ、誰もしてくれる
相手がいないからな。」
「またまた、ベアラさんは優しくて
包容力あるし物言いもやわらかいから、
いくらでもモテるでしょ?」
「俺の…俺、体つきと顔で半分以上
逃げられます…。」
「半分…?」
「い、いずれ…あなたに…。」
身体が大きく顔を真っ赤にしながら、
小さな針と糸で俺用のズボンの裾上げをする
ベアラさんが、すごく可愛くみえた。
「……?よくわからないけど、ベアラさんが
女性ならいいお嫁さんになりそうだね。」
俺は笑顔でそう言うと…。
「お嫁…さん…ゴホッゴホッゴホッ。」
「だ、大丈夫ですか?」
俺は、ベアラさんの背中をさすっていた。
「どうせなら…願いが叶うなら俺は
あなたが欲しい。俺のお嫁になって欲しい。」
「……。」
いつのまにか、俺はベアラさんに仰向けにされ
床に寝転がっていた。
おかしい?俺はそんなにか弱くないし
男に押し倒される趣味もない。
俺は女性が好きなんだ。
「べ…ベアぁぁ……。」
覆いかぶされ、ベアラさんにキスされている。
なぜか甘いチョコのようにキスが
癖になりそうな位、美味しく感じてしまった。
「一目惚れ…なんです…ハ、あなたが…
欲しい。お嫁になってくれ。」
違う違う違う……。なんで俺が嫁なんだ?
って口を塞がれてるから、喋れないじゃないか。
息苦しさと、反論したいけど気持ち良いキスに
夢中になりそうになった。
だめだ、ダメだ、ダメ。
このままでは、流されてしまう。
「んん…。べ…ラ……あっ。」
バシバシと自分の手が痛くなるほど、
ベアラさんの、胸を叩いていた。
「可愛い。手が赤くなっている。
ハル、大丈夫か?」
「はぁ、はぁ…やっと…はぁ…。」
ヤバイ、息切れがする。
「息苦しいのか、大丈夫か?ハル、
しっかりしてくれ。」
大丈夫じゃないし……。
「あはぁぁー…んっ。」
おい、こらっ、ベアラっていうか、ベアだから
クマだ熊。手つきがやらしいし、胸、乳首を
擦るな、つまむな。呼吸が整わないのは
お前のせいだ。
「んんっ……。」
「ハル…苦しいのか?今すぐ楽に…。」
このクマさんは、あろうことか俺の服を
脱がそうと必死になっていた。
俺はか弱いながらも、応戦し必殺技
キン蹴りをした。
結果、何故かクマさんのズボンに染みが
出来た……。
我慢していたモノが、俺のキン蹴りにより
刺激を受け、イッてしまったそうだ。
「…おかしい。」
おかしい。
やっと逃れた俺は、このクマさんに
くどくど説明やら、男より女が好きで
ノーマル、ストレートだって伝えた。
「女?それは何だ?」
「えっ?」
この世界は、男しかいない世界に
なってしまったらしい。
数百年前に女性がいたらしいが
それも定かではないらしい。
「マジか。」
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