第12話
岡真琴 1
俺の名は岡真琴(おかまこと)。
"オカマ"って字名でいじめ続けられ、
中学まで登校拒否が続きゲームやマンガ、
アニメオタクになっていた。
中学を卒業する頃には異性より同性に
興味を持ち始め、童顔でチビだから
バレバレだったが、見知らぬオッサンを
掘った。俺は受けじゃなく、攻めだ。
偉そうにしているおじさまやおっさんを
食い物にし、ほとんど家に帰らなかった。
両親は俺が登校拒否を始めた頃から
不仲になっていた。
"岡"っていう苗字まではいい。
そこそこある苗字だと思うし、"おかーさん"
とかヤジル奴はいるけど、まだ我慢できた。
名前が問題だった。
単品で、"真琴"まこと"は許せるが、
苗字とくっつけると、自己紹介などでは
確実に笑われた。
岡真琴、オカマ・コト。
初めは言い返していたが、先生まで笑う始末。
名付けた両親を恨んでやるぅ~って思ったら
中学卒業の日、ポックリ交通事故で逝ってしまった。
仲悪い両親がわざわざ同じ車に乗り、
わざわざ卒業式の日、卒業賞状を俺のかわりに
取りに行くのと、離婚届を出しに行く途中
だった。
血がついた卒業証書と離婚届が遺品になってしまった。
登校拒否していたから、当然ながら高校すら
行けず、親のわずかな遺産と少しリッチな
おっさんなどに貢いでもらっていた。
もちろん偽名で。
そんな時、お気に入りのゲーム発売日に
コンビニ巡りをしていたら、素敵なお兄さんに
出会った。くっついていたおっさんはドMで
なかなかのしつこいプレイに、
辟易(へきえき)していた。
だけど、金払いは良いし貢ぎ方もダントツ
だから、欲しいゲームを買ってもらう為
時間を引き伸ばしながら連れ回していた。
わざわざ予約せずに、人がいるコンビニに
足を運ばせた。
ヤバければ、逃げ出せるように。
ゲームタイトルは、チャベツ物語2。
前回は、プレイヤーが1人だったのが
今回は、オンライン対応だった。
しかも、恋人は無制限。
男だけの世界で、イケメンとイチャイチャや
アッハーンな事も出来る。
グラフィックも凄くて、挿入シーンなんかは
最高に興奮した。
だから、チャベツ物語2が欲しかったけど、
俺と出歩くおっさんは、すぐにエッチな事を
したがり、食事をすっ飛ばしホテル直行
しかも何度か囲われそうになったり
監禁されそうになったりした……。
だけど最近うまいこと皆と都合付かなくなり
欲しい物が手に入りにくくなった。
おっさんが妨害してるかもって、
思い始めて、今日で手を切ろうって
思っていたとこだった。
かっこいいお兄さんは、飲み物や食べ物を
買い込んでいた。おっさんは俺に構って
もらえないからか、他の男をジーッと
みていたからか気を引くため、お菓子や
飲み物を大人買いしてくれた。
チョコやポテチ、全種類買ったのか
商品棚が寂しくなっていた。
お菓子を買いしめるおっさん……。
大きな袋がコンビニにあったんだ、って
思いながら、俺に見せつける様に
満面の笑みでお菓子を持おっさん。
俺はお兄さんにつられる様に
コンビニから出た。
グニョンって足元が崩れたっと思ったら
気づいた時には、夢にまでみたあの
ゲーム、チャベツ物語に似た世界だった。
イケメンキャラ、やったー。
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