第2話 カインの罪
カインの罪
中国共産党の株式が何者かによって買い進められている。そんな報告が龍 加員かいんの網膜上に文字となって流れている。
「自作自演さ」
独り言を言いながら後ろを振り向くと、年老いた男が立っていた。その老人。醜い老醜は山本だった。盲目の干からびた肉体に黒い着物を着てぽつんと中国共産党総書記室のドアの処にたっていた。
「山本、久しぶりだな」
「うむ」
「何の用だ」
「加員か、やっかいものがいなくなって清々していると見えるな」
「何のことだ」
「まあ、いい。とぼけても」
「仇夢それとも安鈴のことか。別にとぼけているつもりはない。奴らはもう要らないんだ。我が新中国共産党にとって」
「安鈴を殺して父を月に追いやったのか」
「安鈴のことはともかく父、仇夢を追いやったって。山本が導いた様なものではないか」
「結果的にな」
「それに安鈴は死にたがっていた。それを手助けただけだよ。脳内に行き続けることの否定的なパルスを送っただけだ。そして喜んで俺に命を奪われたよ。殺されたと言うよりあれは自殺だ」
「そう考えるのは加員の自由だ」
「山本、それで仇夢は黒い石はみつけることが出来たのか」
「まだだ。黒い石を持っている者の居る場所にはついたはずだ。黒い石があれば永遠の命が手に入る。全ての苦悩から解き放れる」
「迷いごとだ」
「迷いごと、それでもいい」
「それでも」
「そうさ、我々は全ての物を手に入れたのだ。文明も富みも名誉も。しかし、この虚しさは何だ。この空虚な感覚は何だ」
「加員、ぬしも案外安鈴と同じだな」
「俺がか、俺があの兄貴、ぼんくらの安鈴と同じだと」
「そうだ。生の中で感じる虚しさよりも死の中にある安らぎこそが今の自分には必要なのだ」
「山本、おまえは詩人か」
「詩人か。いや旅人だな」
「旅人、うまくごまかしたな、それでは旅人の山本とやら、どこへ旅する」
「加員、ぬしが旅立ちたいところだ」
「高天原か」
「うむ」
「親父、仇夢は月で消息を絶った。愛機イリューシンだけが月面のクレーターに残された。月から高天原に仇夢は行っているはずだ。ということは高天原とは月に存在しているのか。月と何らかの関係があるのだな」
「さすが仇夢のDNAを一番色濃く受け継いだ加員だ」
「世辞を言うな。おっと、これは仇の口癖だった。いずれにせよ、その仇夢をスサノウとやら、美少年の幻影を使ってたぶらかしたくせに。やはりお前が悪魔と言う噂は本当なのだな」
「悪魔はともとかくとして、スサノウの事は違う。加員。スサノウは本当にいるのだ」
「馬鹿な。三千年も前の倭人が今生きている訳がなかろう」
「悪魔なら何千年も、いや永遠に生きるのではないか」
「馬鹿な」
「奴らは何千年も何万年もいや永遠に存在し続ける。それは我輩が永久に生き続ける様に」
「何万年も永遠にだと」
「いや何億年、そして永遠」
「永遠」
「そうだ。永遠の命を持っている」
「秦の始皇帝が捜し求めても見つけることが出来なかった永遠の命を保つ不老不死の薬でもつくっているのか。人類最後の夢が叶うとでも言うのか」
「その通りだとしたら、どう答える」
山本の言葉に加員は一瞬たじろいだ。余りにも馬鹿馬鹿しく、かつ荒唐無稽な山本の言葉に返す言葉がなかった。目障りな兄、安鈴は自らの希望どおり死んだ。本人が死にたがっていたのだ。
あれを殺人とは言えまい。そして創業者の仇夢は幻想にしか過ぎない美少年の誘惑に負けて行方不明だ。
恐らくはもう二度と戻るまい。そして自分は遂に地上最大の人類の指導者中国共産党の総書記に上り詰めた。選ばれし民一億人の頂点に立ったのだ。終に王国の頂点にいるのだ。至上の喜びに浸っていいはずだ。
だが、この空疎な気持ちは何だろう。策略を施した訳ではない。父に兄も結果的に自ら退いていったのだ。自分に何ら非はない。あとは黒い石だ。
黒い石さえ見つければ全ての謎が解ける。
あの愚かな倭人の話の謎が。その黒い石に本当に魔力があるのか、無いのか。その黒い石が見つからない。黒い石と称した偽物はごまんとある。あたかも本物の様に特別な窯で焼 いて作った偽物はいくらでもある。いや飾りとして自動チェアに座る男性の胸元を飾っている。しかし本物はどこにもない。
たとえそれが迷信だろうと嘘であろうと、どうしても確かめねばならない。本当に永遠の神になれると言う。それが嘘であろうと真実であろうと過去、未来を自在に行き交うことが出来て、全ての事が己の意思のままに操ることが出来るのだ。その石がこの世にはあるのだ。
その黒い石さえあれば我々中国人は本当に全ての真理の支配者になれるのだ。人類を超えられるのだ。新たなる歴史を作ることが出来るはず。その黒い石さえあれば、倭人わじんを滅ぼし、美国人をも欧州の蛮族をも滅ぼした我らが民を永遠に人類の支配者とすることが出来るのだ。
黒い石。
その石さえあれば己の下卑た思いで兄をそして父を追いやり、地上の支配者新中国共産党の頂点に立つなどと言う欲望に惑わされる必要はないのだ。その時己はイエス、釈迦、アラーを超えた人類が到底辿り着くことが出来なかった境地に自らが行けるのだ。
その黒い石があれば。そうだ人が神に何故なれないのか、と言う謎が解けるのだ。
「黒い石は高天原にあるのだな」
気を取り直して加員は山本に尋ねてみた。
「高天原にある、高天原そのものが黒い石で出来ている」
「何」
「高天原に行くのには黒い石で出来た亀に乗って行くことだ」
「では、その亀でいい。亀を持って来い」
「不可能だ。亀は持ってくることは出来ない。亀には己が近づくことによって亀の乗れるのだ」
「ここに持って来られないのか」
「そうだ。亀はどこにあっても結局、高天原に行ってしまう。だから亀に自らを乗せねばならない」
「乗りたい。何としても乗りたい」
いきなり、めくるめく興奮が加員の体を包んだ。何ともいえぬエクスタシーを感じた。ペニスは勃起し尿道からカウパー液が発射されてきた。生きるエネルギーが湧き出てくる。そうだ、それでいいのだ。それでこそ、パズルなのだ。その亀だ。亀こそがパズルなのだ。
「加員、月で待っているぞ」
興奮している加員に山本はそう告げて踵を返して中国共産党総書記室を出て行った。部屋の中には愉悦きわまっている加員だけが残された。
赤いツポレフが中国共産党専用格納庫に加員を待っていた。赤い星の旗がシンボルとして中国共産党最高幹部専用機であるということを誇らしげに示している。巨大な翼を格納庫の中で休めていた。ラダーが自動的に下がり加員が座る自動チェアにフックをかけて機内に導いた。
ツポレフの中で飼われているエバがワインを持ってやってきた。脳内から指令を出すと、ツポレフは上海空港真ん中にゆっくりと出てきた。上から離陸様の飛行船が下りてきて幾つ物フックがツポレフに繋がった。そしてゆっくりとツポレフは空に舞い上がった。そして地上を遥か離れてた辺りでツポレフのメインエンジンがかかり、成層圏を抜けて行った。
「罠かもしれない。いや罠でも構わない」
加員は独り言をつぶやいた。それを聞いていた物言えぬエバが微かす笑んだ。いや罠であっても自分もパズルを解くことを始めねばならない。前に進まねばならない。
時は過去から未来へ行くのだ、進むことだけが生きることなのだ。言い聞かせるように加員は独り言を言った。
「まず、ハリートンの所だ。罠にはまってたまるものか」
機内で加員は自らの思考を更に整理してみた。自分は誑かされたりしない。
美少年の誘惑にも屈しない。冷徹な意思を持って、ブラックストーン、黒い石。人類を解放すると言う黒い石を見つけるのだ。確かに困難なことかもしれないが、よく考えてみれば、然程のことでもないだろう。
高天原も、 そこへ導いてくれると言う亀と言う乗り物も、それそのものが黒い石で出来ているのだ。欠片でもいい。その黒い石の欠片でもいいから持ち帰ることが出 来ればいいのだ。その黒い石を手元に置くことによって自分は神になれるのだ。冷徹な親友のハリートンもそう思うに違いない。その様なことを龍 加員かいんは唱えながらツポレフの中でドールの血で割った赤ワインをあおった。
「親父が行方不明だって」
月面投資顧問有限公司総経理室で総経理のハリートンはいきなり本題に入ってきた。
「そうだ。情報が早いな」
「早いなって、地上もこっち(月)も情報に関しては今や筒抜け状態さ」
誰もが細く長身の美形の人工皮膚に骨格を好むこのご時勢に何故かハリートンはグロテスクな太目の体躯をしている、古代の倭人わじんが好んだような相撲取り、力士の様な体を好んでしている。人工筋肉を誇らしげに自慢したいのだろうか、上半身は裸である。下には薄い下穿きを履いてはいるものの、およそ人前に出るような格好ではない、何年もの付き合いがある幼馴染の龍 加員かいんの前だからこそ出来た仕草なのだろう。
「加員よ、それより例の話」
「例のって、あの船の投資のことか」
「そうだ」
ハリートンは下卑た笑い浮かべた。唇の切れ目に唾液が流れている。
「いいよ。そっちの言い値で」
「そうこなくっちゃ。さすが地上最高にして最大の王国中国共産党の総書記様だ」
月面で手広く別荘ビジネスを続けるハリートンの会社は既に地上での生命の継続に飽き飽きした老人が終の住まいを月面に求めた別荘ビジネスで成功を見ている。
闇夜に浮かぶ星雲を見ながら己の人生の幕引きをする、そんなロマンを売り物にしている。月面の空港に派手な広告をうち結構な商売をしているようだ。
「幾らでも出すが、一体何の投資なのか、それだけでも教えてくれ」
「うん」
その時、加員はハリートンの下卑た笑いの底にあるためらいを見逃さなかった。
ハリートンの目が据わっている。何時にない厳しい表情を浮かべている。
「どうやら普通の話ではないな」
加員が空気を察して続けた。
「分かった。話そう、しかし」
「しかし」
「その前におまえさんの脳内にあるメモリースイッチを全て切ってくれ」
「切ってどうする」
「いや、この話が他に漏れると拙いまずいんだ」
異様なほどハリートンの表情が強張っているのが加員に感じられた。
自動チェアからマニュアル操作で脳内のあらゆる記憶メモリーを止めた。これから記録されるのは己の肉脳の記憶だけだ。
「確かに切った様だな。加員」
加員の仕草を確かめたようにハリートンは話を切り出した。先ほど仇夢の行方不明のことを事の外、楽しげに話していた表情とは全く違う真剣な表情が読み取れる。
「八岐大蛇だ」
「ヤママタノオロチ」
「そうだ、八岐大蛇だ」
「なんだ、それは」
「完成したらしい」
「完成って」
「氷の世界から解き放たれたらしい。地球をいずれ破壊する。その前に先ずこの月を破壊する。既に月の軌道に乗っている。今までの隕石とは違う。あれは怪物だ」
「地球、破壊、月のって。月の軌道って月に軌道があるのか。軌道に乗ってどうなる」
「だからぶつかるんだよ。この月に、その上地球も破壊する。八岐大蛇が」
明らかにハリートンは興奮してきている。唇のふちに唾液が流れるのが見える。
しかし月にその八岐大蛇とやらがぶつかってどうなるのだろう。月には無数のクレーターがある。何億年前からいや何十億年前から無数の隕石がこの月面に降り注いでいる。それは地上に 雨か雹が降るようなものでこの月面にとって然程のこととは思えない。そんなことに何故この巨漢のハリートンがおののかねばならないのだろうか。
「隕石だろ、その八岐大蛇とやらも」
「そうだ隕石のはずだが、実は俺にも分からない。八つの龍の頭を持つ隕石だと言われている。氷の星から生まれた隕石だ。まだ誰も見た物はいない」
「その八つの龍の頭の隕石、氷の星から生まれた隕石、八岐大蛇がただの隕石でなくて何の隕石だ」
「神の石だ」
「神の」
「全人類を滅ぼすのだ。いや一部の人類のみが生き残る。その他全てを破壊する。いや、破壊するのではなく凍らせて無に戻すのだ。時間を一番初めに戻す。残った人類だけが解凍した時間の中にもどすのだ。それで人類の浄化は完成する」
「ハリー、それは過去に既にあった事ではないか」
ハリートンの言葉にあっけにとられながら加員は仇夢しか出来なかった大笑いが出来そうな気がしてきた。これほどの滑稽な話があるだろうか。隕石など恐れてこの月面にいられる訳がない。巨大な隕石だと分かれば事前に破壊用のロケットをその隕石の軌道に打ち上げて宙で破壊するなりの技術があるではないか、あるいは軌道をそらす人工惑星を軌道に乗せて軌道上でぶつかる様にしてその軌道をそらして月面の落ちない方策など幾らでも対応策があるのではないか。
第一そんな隕石に八岐大蛇などと言う訳の分からない名前をつけて恐れおののいているこのハリートンの姿が馬鹿馬鹿しくかつ滑稽の思えてならないのだった。
「笑いたいのだろう加員」
「そうだ笑いたい。我が同志よ」
「笑うがいい、これは真剣な話なのだ」
「真剣ね」
表情を作り直して龍 加員が改めてハリートンの顔を見つめた。
「愚かなる倭人の話を知っているだろう」
「またその話か」
「またって誰とその話をした」
「誰とってさっきハリーと話した行方不明になった俺のマザー、いやファーザーか。偉大なる父の仇夢とだ」
「そうか、それを話した事を覚えているんだな。嬉しいよ」
「嬉しいって」
訝しがる加員にハリートンは続けた。
「とにかくそれはそれでいい。何れにせよその八やま岐たの大蛇おろちは破壊することが出来ない」
「出来ないって」
「加員よ、お前はロケットや妨害惑星でその八岐た大蛇を破壊したり軌道修正しろって思っているだろう」
「そうだ。違うのか」
「違う、それは出来ない」
「出来ないって」
「八岐大蛇は神の意思だ」
「神の意思」
「百歩譲って、いや千歩譲って神ではないとしても、これは運命と時を凍らす石なのだ」
「その石、八岐大蛇が降ってきてこの世界が滅び去るのか」
「滅びはしない。最初に戻るのだ。一番初めに、物語の始まりに戻るのだ。そして物語は始まる。別の物語だ。新たなるゲームの始まりだ。だから前の物語、ゲームは無くなる。そのことが滅び去ると言えば、確かに滅び去るのかもしれない」
「新たな物語。ゲーム」
「そうだ新たな物語の世界、そしてゲーム。全てがゲームだ。仕掛けられたゲームにしか過ぎないのだ。誰が得をするでも損をするのでもない。ただただゲームは続けられる」
「面白いな。そのゲームとはどんな物語の世界だ。それは古代のもっと古代の白亜紀の恐竜の世界か」
「最終的なゲームは肉体を伴わない魂だけの空間によって行われるゲームだ」
「肉体を伴わない魂だけの空間で行われるゲーム」
およそ俗物にしか見えないこの下卑たハリートンに似ても似つかない言葉「魂」が発せられた時、ハリートンの顔に縦線がいきなりはいった。人口皮膚の顔にパリッと皺しわが縦に割れた。皹から液体が流れ出した。左右に人工皮膚が割れて液体が流れてきた液体の中に無数の汚物だろうか内臓の肉片だろうか緑色の人工のパイプなどの欠片が床に流れてきた。そして割れたハリートンの肉体から見覚えのある顔と肉体が汚物でずぶ濡れになりながら現れてきた。それは紛れも無い加員の父仇夢だった。龍 加員かいんは思わず失禁した。
「と、父さん。生きていたのですか」
「ああ、生きていたとも。感心だな。行方不明の父親を捜しに遠路はるばる、この月面までやって来るとは」
仇夢の言葉に加員は震えていた。
「父さんが、父さんが」
「いや、いいんだ。おまえが何をしようがいいんだ。息子が父を裏切ることは正義なのだ。そうさ親父の俺を息子が裏切ったって、兄安鈴を殺したって、全てパズルなんだ」
「パズル」
「そうだ。パズルだ。話すエバが現れたと言う嘘の情報で俺を覚醒させて月に追いやった。山本と使って。そして死亡願望の強い兄の龍 安鈴あべるを殺して地上一の中国共産党の総書記になった」
「す、全てお察しの通りです。許してください」
「許す」
「許して下さい」
加員は震えていた。明らかに震えていた。
「許すも許さないも無い。罪は永遠におまえに残るのだ。それが全て物語りと言うおまえ自身のゲームなのだから」
「パズル」
「ここからは違う。パズルを超えたパズルになる。そのパズルをおまえが解くのだ。それがおまえの罪を償う唯一の術なのだ」
「罪を償うパズルを超えたパズル」
「パズルを超えたパズル。中国共産党だけではない、人類の存亡をかけたパズルだ」
「馬鹿な」
と龍 加員かいんが言い掛けてふと気がついて見るとハリートンは何事も無かった様に自動チェアに座っていた。今、正に人工皮膚が爆発して中から龍 仇夢あだむが汚物と共に現れたはずなのに。何事も無かった様に加員の前にいた。床にこぼれて流れた内臓の汚物も人工血管の破片も何も見当たらない。
「どうした加員。顔が白いぞ」
「白い」
「ああ、白い」
「それでその八やま岐たの大蛇おろちがどうしたのだ」
「八岐大蛇。その星の名前は八岐大蛇と言うのか」
「いや、そうではないかと」
「いや、そうかもしれない。俺も聞いたことがある。大変珍しい星なんだろう。投資の話はその星だ、その星の調査だ、それにお前さんの資金が必要なんだ。儲かるとなれば配当は十分にする」
諭すようにハリートンは加員に問いかけてきた。自動チェアから鎮静剤を静脈に流しながら少しずつ心臓の鼓動を抑えながら加員は話を続けた。
「分かった。とても珍しい星だものな」
「なあ、加員、おまえさん、どうやら体調が悪そうだな。無理も無い。たった一人の父親が行方不明なんだ。おまえのDNAの元、オリジナルが行方不明なのだ。動揺するのも無理も無い。暫くのんびりしろよ。そうだ飛び切り美しくデザインされた新作で処女の未使用ドールを三匹ばかりお前の宿泊するホテルの部屋に贈るよ。投資のお礼に。そうそう、確かに八岐大蛇とか言う彗星らしい。その彗星の名は。詳しい資料は後ほど送る。今夜はおまえさんの部屋に戻って休むがいい」
「それはありがたい」
加員かいんにはそう言うのが精一杯だった。そしてその後自らを解放する様に加員は人工冬眠に入った。そして二度と目覚めなかった。
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