第4話 1999年夏? タピオカJK

「あ、あの…」


「お!気付いた?いま救急車呼ぼうかと思ったんだけど、大丈夫?君、アイス食べてないし、なつかしい格好してるし、気になって声かけたんだけど、走って出ていっちゃうし。そしたらいきなり倒れてるんだもん」


「すみません、ご迷惑おかけして…」


「…制服それ、いま買えるの?」


「え?すみません、わたし、そういうのはやらないです!」


「違うよ!俺もそういうのはやってないっていうか、そういうのって何!(笑)君の制服、昔の三条のだろ?懐かしいから気になっただけだからね?」


「この制服、確か5年くらい前に変わったばかりで、そんなに古くないかと思うんですけど…」


「何言ってんの。三条はブレザーでしょ?君のセーラーは何年も前に変わってる。僕ね、奥さんが三条出身だから、新しい制服はよく見てたんだ」


「違います!わたしの学校…。三条の制服はこれです!」


「うーん。そう?ま、君が嘘ついてる感じもしないし…わかったよ。ちょっと休んだら家帰れそうかな?」


「はい。本当すみません」


「中村!お前も早く片付けて、その子送ってけよ!早上がり許可する!」


「じゃあ、家まで送るよ。大丈夫。こう見えて紳士だから!」


「はい。。ありがとう、ございます。。」


 

「あ、 あの高いビルは何ですか?」


「何?新しい駅ビルじゃん。タピオカの店入っててすげー混んでたよな。今はタピオカブームも落ち着いて、次は何が流行るの?女子高生さんよー!」


「…タピオカ?何ですか?」


「…君さ、どんな生活してるわけ?そんなに流行りを知らないわけないでしょー」


「…すみません。わたし、いま、ちょっと混乱してて」


「あ、いや、そうだよね。倒れてたのに、ごめん」


「違うんです!わたし…この時代の人間じゃないかもです!」


「…」


「…あの」


「…」


「すみません、何か言ってもらえると助かります」


「…君、すごくない?」


「…信じてくれますか?わたし1999年から来ました。今は何年ですか?」


「今は2020年。2020年夏真っ盛り~」


「?!!!」


 



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