第2話 1999年夏? 突然のアイス
声がして起きたはずなのに、今まで聞いていた突き抜けるほど爽快な打撃音、うだるような暑さ、大好きなたくちゃんが一気に消えてしまった。
その変わり、わたしは今駅前の喫茶店でアイスを目の前にしている。しっかり冷房の効いた店内では寒くてアイスなんか頼まなきゃ良かったとぼんやり思った。
違う!そんなことじゃない。
たくちゃんは?
わたしは慌てて
ー圏外ー
やばい!
たくちゃんに連絡しなくちゃ。わたし、どうしちゃったんだろう。
慌ててお店を出た。お金を払うとき、何か言われた気がしたけど、とにかくドアを開けてお店を出た。するとそこには見たこともないような高い建物がずらりと並んでいた。
声も出なかった。
頭の真上からのジリジリと痛いくらいの日差しが、わたしの思考回路を焼き切ってしまったようだ。
膝から崩れ落ちるのを感じた。
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