第4話 進展
1年ほど連絡のやり取りをしていく中で、その子のことがますます好きになっていった。
気がつけば高校2年生になっていた。
「付き合いたい」
そう思ったあとの自分の行動は早かった。
中学生の頃の自分からは、想像がつかないほど恋というものに前向きになっており、というのも、強豪校の部活に入るということで、自分があたかも強くなったように感じていたためである。
メールの内容は相変わらず他愛もない内容を繰り返していたが、やんわりと好きであることを伝えていた。今思えば恥ずかしい内容も当時の彼女は喜んでいてくれた。
連絡を取り始めてからだいたい1ヶ月がたった頃、ついに告白をした。
告白と言っても、直接会って言ったわけでもなくメールで告白した。
ちなみに、告白までの間も、ふたりきりで会ったこともなく電話やメールのやり取りだけだった。
「好きです、付き合ってください」
…
相変わらず返信が遅い
『いいですよ』
告白成功である。はじめての彼女がこのときできた。
童貞の頭の中には妄想が膨らんだ。
お互い、部活が忙しかったためか、付き合ったあともほとんど会うことがなかった。
メールと電話のやり取りのみで、今までの生活と変わらない。
ただ、今までやり取りをしていた子が
【彼女】という肩書がついたことが何よりも嬉しかった。
全くデートをしていないというわけでもない。付き合って一ヶ月には県内のデートスポットに行き、手をつなぎながら街を歩いたり、地元の利点を活かして、彼女が部活終わりに自分の家に来てもらい、はじめてのキスをしたりした。
その後のことはまだ勉強不足ということもあり、高校生ながら性交にまではいたらなかった。
彼女とはお互いに始めてずくしで、お互いに新鮮な気持ちで付き合うことができた。
ただ、お互い初めて同士、そう長く続くものではなかった。
付き合ってまだ3ヶ月。
彼女から別れを告げられた。
高校2年生の冬のことである。
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