第3話 出会い②

『どうにかして話してみたい』

思わずそう思うほどの人であった。



『なぁ、あの子俺好きだわ』


『たしかにかわいいな、でもお前なんか相手にされないだろ』


『そんなのやってみなければわからないだろ』

前方にいる先輩からの言葉。


とられたくない。俺が先に行く。

そう思い行動をとった。



後日


幸い、地元の高校とあってか、中学からの知り合いもおり、その友達経由でなんとかアドレスを知ることができた。


初めての女性に送るメール、心臓が飛び出しそうだった。

そのときに流行っていた、YUIのチェリーが心に響いていた。


『こんばんわ、初めまして。〇〇と言います。友達からアドレスを教えてもらいました。よかったら、少し話しませんか?』


たどたどしい内容のメール。

返信が来るのか不安になりながら待った。



携帯からファンキーモンキーベイビーズの曲が流れた。その時に設定していた着うただ。


〜受信中〜

画面にはくまのプーさんがバタバタしているデコレーション画像が写っている。


ガラケーはいろいろと画面設定が出来たので、その時代は良かったと今は思っている。


受信ボックスのメールを開くと返事が返ってきた。


『こんばんわ。はじめまして。お話いいですよ』


簡潔な内容だったが、初めて女性とメールをした自分にはとても嬉しかった。

自室のベッドでうつ伏せになりながら、足をバタバタさせていた。さながらデコ画のプーさんのようだった。


その後もメールが続いた。好きなアーティストや、好きな異性のタイプ、部活の現状や先輩の愚痴など、他愛もない話が続いたが、それがとてつもなく楽しかった。


ただ一つ気になったのが、返事が遅く、もどかしい気持ちになっていた。まるで恋愛上手の女性に手中で転がされているような気分になった。


ただ、その子はまだ付き合ったことがないということがメールのやり取りで知ることができた。

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