まつりび
Mondyon Nohant 紋屋ノアン
一、ギャラリー
地元出身の作家をとりあげたのが二十年ぶりだったためか、
洛堂展は、画廊「洛堂」が年一度、
地方都市の一画廊が
画廊のオーナーである
「十年待てば、大儲けだ」
人が好いといわれると、良介はそう
各国有名建築の壁画をほとんど
西の窓から
「
良介は、抱えた古い画帳を軽く叩いた。
「直、モデルさんが来てるぜ」
受付係の友人が、二人の会話に割り込んだ。
彼が指した女性は、女像に見入っている。
「彼女、直の彫刻のモデルだろ?」
直之は良介に一礼し、彼女の背に近づいた。
「本木です」
ふり向いた彼女の顔を、陽光が
「はじめまして……だと思うんですけど。この彫刻のモデルが私でなければ」
立ち
「鏡を見ているみたいだわ」
田良介は、遠くから彼女の姿を
「この彫刻、『まつりび』っていうんですね」
台座に貼られた
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