第114話 右か左

右手を伸ばすか 左手を伸ばすか

いつも考えて行動しているわけじゃないけど

思い付きじゃない 自分で考えて

どちらかの手を差し出すことだってある


目の前に転がる石を見てまるで自分の様だと

靴跡が刻まれた桜の花びらに共感するような

何もかもが上手くいかないと思い込もうとする

見つめる視線に気づかないふりを続けて


言い訳が必要で 上手く話せない

我に返ったら 呼吸ができない

一心不乱に積み上げた空気の塊が

飛んでいく


一言で言うなら 僕はここにいる

すぐに触れ合える でも踏み出さない

一心不乱に積み上げた空気の塊を

現実にする


言い訳が必要で 上手く話せない

我に返ったら 呼吸ができない

妄想も現実も曖昧なままで全部

流れていく

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