第21話シェレネの誕生日♡♡前編
「ううん…………」
「我が妃よ。目が覚めたか?」
シェレネが起きると。いつも先に仕事に行っているウィルフルが、目の前に座っています。
「あれ?陛下?」
不思議そうに首を傾けた瞬間。
「失礼します。聖妃様、お誕生日おめでとうございます!」
部屋のドアが開き、ララ達をはじめとする侍女全員がへやになだれこんて来ました。
「我が妃よ。今日はそなたの誕生日であろう?忘れてしまったのか?」
そう、今日は4月2日。つまり、シェレネの15歳の誕生日なのです。
「あ……………」
「侍女全員で選んだプレゼントですよ〜!」
そう言ってララが出してきたのは綺麗な石を埋め込んだくし。
「みんなでお金を出し合って買ったんです。ね!」
「……ありがとう………」
「では私たちは準備があるので失礼しますね。」
嵐のようにやってきた侍女達は、嵐のように過ぎ去って行きました……
――――――――――――――――――――――――――――――
「我が妃よ。改めて、誕生日おめでとう。15歳の誕生日だろう?我が妃と結婚出来るのもあと2年後だな!」
「陛下、なぜいつもそこに行くんですか…………」
ウィルフルはどうしても早く結婚したいみたいですね(笑)
「我が妃よ。誕生日の贈り物を用意したのだが?」
「そうなんですか?ありがとうございます!」
ウィルフルからの贈り物は首飾り。
たくさんの宝石が散りばめられた飾りのついた、綺麗なネックレスです。
「陛下、もしかしてこれ……」
「ああ、義姉上に作ってもらった。」
ミーナさんの腕前はどんな仕立て屋よりもすごいのかもしれません…………
「もうひとつ贈り物があるが、受け取ってくれるか?」
「?はい……」
シェレネが返事をするが否や、ウィルフルがシェレネの頬に微かなリップ音と共に口付けます。
「ちょ……っ、何してるですか!?」
「贈り物は僕からの愛だけど?」
「馬鹿なんですか!?」
これが普通の反応です。
―――――――――――――――――――――――――――――
「失礼します。朝食をお持ちしました。」
侍女のひとりが持ってきたのはパンケーキ。
お皿にはチョコで「Happy birthday」と書いてあります。
しかも、いつもより豪華。料理長もイキなことしますね……
朝食後。コンコン、と扉を叩く音が聞こえました。
「入れ。」
「失礼致します」
入ってきたのは近衛騎士団の皆さん。全員で総勢25人の切れ者達です。
「聖妃様。お誕生日おめでとうございます。近衛騎士団一同、お祝い申し上げます。」
「……ありがとう、ございます………クロフォード様……近衛騎士団の……皆さん………」
「聖妃様に誕生日プレゼント選んできたんですよ!」
「女子3人で選びました〜」
近衛騎士団からの贈り物は本。
まだ出版されてすぐのようです。
「………白き女神………?」
「それ、王都で大人気なんですよ!」
シェレネがページをめくるとそこに描いてあったのは……
「……え……私………?」
そっくりそのままのシェレネ。
なのに、後ろに純白の羽が舞っています。
「これは、聖妃様がまるで天使みたいに見えたって言う画家さんが描いた挿絵なんですよ!」
「だからタイトルが白き女神なんです!」
「おいおい、いくら任せたからってそんなもん買ってくるなんてさすがに俺達も予想してなかったぞ……」
「確かに……」
騎士団の男性の方は知らなかったみたいですね(笑)
「ちょっと……恥ずかしい……です……ね………」
当たり前です(笑)
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