第20話素晴らしく美しい結婚式
「陛下〜、お兄様が結婚式を挙げるから来て欲しいって言ってるんですけど……」
「レイ王子が?ミーナさんとだよね。僕も行った方がいい?」
「陛下はダメって言ってもついてくるでしょう?」
「僕のことよく分かってるね!」
この間の舞踏家で婚約したミーナさんとレイ王子が結婚するようです。
小国なので結婚式にはシェレネとウィルフルしか招待されていません。
まあ、たとえ他の国の王族を招待しても、来てくれないのですが。
「今回は!絶対にゆっくり行ってくださいよね!」
「ごめんって……もうしないから。ね?」
もうしないことを祈ります。
「お兄様、お義姉様、ご結婚、おめでとうございます……………」
「諸国を代表して祝わせてもらおう。」
うんうん、無事に着いたようですね。
え?陛下?もちろんゆっくり行きましたよ。
前みたいに行ったら今度こそシェレネに殺されますからね。
「ありがとうございます、義弟上、シェレネ。」
「なんか恥ずかしいですね。平民の私が王族の方と並んでお話してるなんて。」
とは言いつつも、普通に喋れるあなたはすごいです、ミーナさん……
厳粛な誓いが終わって、城内はパーティーの真っ最中。
各国の大使がお祝いの言葉を述べています。
シェレネとウィルフルはと言うと…………
「ああ、我が妃よ。どうしてそんなに可愛らしいのだ?」
「陛下…………もう酔っていらっしゃる、のですか………?」
「私は酔ってなどいないぞ。幸せそうな義兄上を見ていると、早く我が妃と結婚したいという気持ちが抑えられないだけだ。」
「かっこよく言っても……だめ、ですよ………?」
やっぱりこの人たち、結婚式をぶち壊しに来てましたね。
「シェレネ姫。兄上様のご結婚、おめでとうございます。私はユリアル王国の大使でございます。」
「ありがとう、ございます。」
「ユリアル王国といえば、セリドレッレク王子とフェルゼリファ王女はどうしている?」
「今度、結婚式をあげる次第でございます。」
「ぜひ、呼んでくれ。」
「もちろんでございます。」
セリドレッレク王子とフェルゼリファ王女も、幸せになれるといいですね。
「義弟上、こちらへ来ていただけませんか?」
「ああ、どうしたのだ?義兄上。」
「折角来ていただいたことですから、とミーナが。」
「ささやかなものですけどお礼で……」
そう言ってミーナさんが取り出したのは小さなステンドグラス。
光を浴びてキラキラと光っています。
「綺麗、ですね……陛下………」
「そうだな、我が妃よ。義姉上はこういうのが得意なのか?」
「はい、王都でハンドメイドアクセサリーを作っていましたので。」
「お義姉様……すごいです………」
ミーナさんの腕前はピカイチみたいです。
多分、王都でも人気だったと思います。
まあ、ミーナさんは結婚しても作り続けるそうですが。
「こちらからも、お祝いの品がある。」
ウィルフルがそう言うと、ウィルフルはレイの、シェレネはミーナさんの額に手を当てました。
「闇の神ウィルフル·モートレックと」
「無意識の女神……シェレネ·モートレックが…………」
「「2人に、加護を与える。」」
2人がレイとミーナさんの額に優しく口付けます。
「加護………ありがとうございます……」
「私なんかが貰っちゃってよかったんでしょうか……」
何がともあれ、2人にとって最高の結婚式になったのではないでしょうか………?
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