1LDKの変化

すっかり夏になり、ベランダでタバコを吸っているのが日差し的にもキツくなってきた。汗をかきながらタバコを吸うのは好きじゃない。未だにウイルスはウヨウヨしている様だが、人は以前ほどとは言わないまでもうろつき始めている。外に出なくても、食事は格安で注文できて家まで届けられる。自動化が恐ろしい勢いで進み、製品コストはかなり下がってきている様だ。


俺の生活も、かなり変わった。

あまり外に行く気がしなくなり、いろんな分野で生まれる新製品を、時には作り、時にはアドバイスし、時には批判してみる、時にはそんな活動で生まれた仲間とオンライン飲み会をする、ということに忙しくなってしまった。会社も在宅勤務から結局戻ることはせず、いまも自宅から仕事している。


ここまで短期間で景色が変わってしまうと、今までの仕事や研究はなんだったのかと思わなくもないが、結局全てはきっかけということなんだろう。


日も暮れて温度が少し下がったところで、またベランダに出てタバコに火をつける。

結局暮らしが便利になっても、体を痛めつける喫煙行為はやめないというのは皮肉な感じだった。


ふと、気づくと、隣に見た事のない、30センチぐらいの人形の様な物がフワフワ浮かんでいる。

思わず煙を吸い込みすぎて、むせる。涙目になりながらもう一度マジマジと見るに、秋葉原で売ってそうな美少女キャラのフィギュアの様なものが、ひらひらの服を纏いながら、プラモデルの様なテカテカした質感で宙に浮いている。


「、、、新手のドローンか?」

と声をかけると、その人形は話しかけてきた。

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