第6話



〜告白後の卯月楓〜


------「はぁ...」


盛大なため息をついたのはこの私、卯月楓であります。今朝、誰よりも早く学校へ行き彼の下駄箱に少し隙間が空いてるのが見えたのでそこに手紙を入れたんです。


それを彼は見向きもせずに無視しました。楓泣きそうです...。


「でも、ちゃんと想いを伝えることができた!!」


しかし、彼はいつ気づいてくれるのだろうか。私が彼に恋をしたのはもう3年も前からだということに。


加藤くんにお願いして教室に私を呼んでくれました。ただし、教室での私のあの発言は良くなかったし、彼に対する態度も少し高圧的になってしまった。ほんとに申し訳ないです。。。だって...


「素直になるってどうすればいいのー...!」


私の悲痛な叫びはきっと神様に届いただろう。うん。




-------------------帰宅後---------------------


「おかえりなさいませ、お嬢様。おや?どうかされました?今日はいつにもまして死にそうな顔してますが」


「だって...私は隼斗くんに酷い態度を...」


楓は少し震えていた。


「息子からよく隼斗くんの話を沢山聞きます。その時すっごい楽しそうな表情をしてます。彼は色々な事情があったって言ってるけど、とても優しい人だと。」


------そんなの分かってるよ...


「お嬢様は、もっと素直に...」


「素直にって、どうすればいいのよ!!」


楓の怒号が響き、そのまま走って自室に入ってしまった。


(青春してますね、お嬢様。少しお手伝いをしましょう)


------プルルル、ガチャ


『もしもし?母さん?』


「ああ、弥生?今大丈夫?」


『うん、どーしたの?』


「あのね実は頼みたいことあって...」


日頃の感謝を少しだけ返させてください。お嬢様...




〜楓の部屋にて〜


はぁ。加藤さんに当たってしまいました。ごめんなさい。こんなに全力で悩むのは初めてなんです...。」


告白を断られたわけではないのにこの胸の締め付けはとても苦しいです。私に告白してきてくれた人達はみんなこんな感じだったのかな...


「はぁ、ダメだぁ、隼斗くんのことしか考えられない...」


彼にどうやって顔を合わせようか、彼のクラスの人達にどう説明するか。また彼の悪評が広まってしまうのではないか。それ以上に...


「告白なんて、今後が気まづくなるのは分かってたのに何でしちゃったかなぁ...」


楓は結局寝ることが出来なかったのだった。



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