1-3.ふたりはいつも一緒(2)
ウルクが城にやってきて、一年が過ぎ、二年が過ぎた。
ひとときすっかり痩せ細っていたシュナとウルクは、共にたくさん食べてよく眠り、健やかに成長していった。
すっかり明るさを取り戻し、ウルクと一緒に元気に庭園を走り回るようになったシュナの様子に、ベルマンも心から喜び、安堵していた。
――ただ、ひとつの気がかりもない、というわけにはいかなかった。
「ウルク、お父さまが帰ってきたみたい。お出迎えに行こう!」
シュナの呼びかけに、美しいみごとなシルバーグレーの毛並みを具えたウルクが立ち上がった。
「お父さま、おかえりなさい!」
エントランスホールへ続く螺旋階段を駆け下りながら、シュナは王都から帰ったベルマンに手を振った。
ルシアーノ家は代々軍務の派閥に属し、一族の男たちは皆騎士団に所属している。ベルマンはとうに一線を退いてはいるものの、まだ軍政に係わる中央将校の一人であり、城を空けることも多かった。
一度王都に出ると数週間は戻らないため、シュナが父親に会うのは久しぶりだった。
嬉しそうに声を弾ませて駆け寄ってくる愛娘に、ベルマンは瞳を細めて顔を綻ばせ――そして続くウルクの姿を目に留めて、今度は一転して大きなため息をついた。
「どうしたんですか? どこか具合が悪いの?」
「いや、そうではないんだが……」
「そうなの、良かった。ねえ、お休みはいつまで? お姉さまには会ってきた? 王妃さまのお誕生日のパーティに参加したんでしょ? いいなあ、どうだった?」
「まあ、待て。待ちなさい。来週まで休みを取ったから、おいおい話そう」
「来週まで? やったあ! じゃあまたシヴァインにお買い物に行きましょ!」
「まあ、待て、待ちなさい。そんなことよりおまえ、またウルクの首輪を外しているのか」
「あっ」
しまった、というような顔をして、シュナとウルクは揃ってピタリと足を止めた。しゅんと俯いてしまったシュナの隣で、ウルクもふさふさの立ち耳と大きなしっぽを力なく垂れて俯いている。仲の良いきょうだいのようなふたりの様子は微笑ましいが、手放しに愛でるには犬の方の大きさが少々目に余る。
「まったく、何度同じことを言わせれば気が済むんだ」
話しながら、ベルマンは廊下を移動していく。付き従ったダークスがベルマンの横で
「……だって、ウルク、また大きくなっちゃったんだもん。前に買った首輪じゃ窮屈そうでかわいそう」
「それを見越して、もっと大きいのを二つも三つも買っただろう。一番大きいやつなら入るんじゃないのか」
「……でも、何も悪いことしてないのに鎖でつなぐなんて、やっぱりかわいそうだと思わない? ウルクはこんなにお利口さんなのに」
「かわいそうかわいそうって、おまえはいつもそればかりだな。何度も言うが、万一の事故があったときに不本意に人を傷つけてしまう方がよほどかわいそうだろう」
「そんな事故があるわけないでしょ! もう、お父さまはウルクのこと全然わかってないんだから!」
「来客中だ、静かにしなさい」
ベルマンが歩みを止めたのは、応接室の前だった。
扉の前には見慣れない護衛や従者の姿があり、跪いてベルマンとシュナに拝礼している。子どもっぽい声でぶうぶう文句を言ってしまっていたことを思い出し、シュナは頬を染めて慌てて居ずまいを正した。
やれやれ、とため息をつきながら、ベルマンは応接室の扉に手をかけた。
「まあ、ウルクの話はまた後にしよう。ちょうどいいから、おまえも一緒に来て挨拶しなさい」
「どなたですか?」
「イルカード家の親子が来ている。レトリー君が演習先から戻ったらしい」
誰だっけ、と首を傾げるシュナの前で、ベルマンは扉を開けた。中には王都騎士団の紺青色の制服に身を包んだ二人の男がいる。ベルマンはウルクを扉の外で待たせて、シュナだけを連れて中に入った。
「お久しぶりです、シュナお嬢様。大きくなられましたね」
定型の挨拶の後、父親同士が他愛ない談笑をしている横で、その息子の若い男がシュナにそう声をかけてきた。
色素の薄い、ゆるい癖の付いた胡桃色の髪に、同色の瞳。長い前髪は額の上でねじってまとめられ、すっきりと整った顔立ちを品よく見せている。ただ、小さく細められた瞳に時折り見下すような色が見えたり、微笑む形の唇が妙に演技めいて見えたりと、そこはかとなく浮ついた印象のある青年だった。
「ああ、ええと……レトリーさま? お久しぶりです」
「おや、覚えていてくださったのですか? 前にお会いしたときは、まだ赤ちゃんでいらっしゃったのに」
涼しい顔をして、飄々と微笑んでレトリーは言う。その物言いに、体よくからかわれたのだと悟り、シュナは小さな下唇を突き出した。けれどもそんなシュナの顔を見て、レトリーはまた笑う。
「怒った顔もお可愛らしい。あなたの夫になる方は果報者ですね」
「なっ……なにをいっているのですか」
「おや、まだお父上から聞いていないのですか。もうすぐ貴方の婚約者を探そうか、なんて話をしていましたよ」
「え、そうなんですか?」
尋ねても、答えはない。代わりにククッと喉の奥で笑っている。またからかわれたのかもしれない、と思うと面白くなくて、シュナはもう取り繕う笑顔も出せなかった。
「ふふ、素直でいいですね。まあ、仲良くしてください。騎士団の方で異動がありましてね、しばらくは紅爵の元で働くことになったのです。貴方には、公私ともにお世話になることもあるでしょう」
イルカード
イルカード家には息子が二人いた。どちらも騎士として修行中の身ではあったが、兄のラバードはイルカード家を継ぐ者としてよくルシアーノ家にも挨拶に来ており、シュナも何度か見かけたことがある。
けれど次男のレトリーは剣より学問のほうが性に合っていたようで、あるとき王都の貴族学校に入学してしまった。そこで中等部まで進んだが、結局は家の意向を無視できずそのまま騎士学校へ編入したというから、シュナがその人のことを全く知らないのも無理はなかった。
「そういえば、シュナ様は犬がお好きなんですか?」
シュナとしてはこれ以上、特に会話をしたいとは思わなかったのだが、父親たちの歓談はまだ終わる気配はないし、何よりそのことを尋ねられてしまっては、シュナには答えないわけにもいかなかった。
「はい、好きです。……レトリー様もお好きなんですか?」
「いえ、まったく」
その冷たい言い方に、むう、とシュナが眉を顰めると、レトリーはその顔を見て声に出すほど大きく笑い、シュナのすぐそばまで距離を詰めてきた。
「可愛いねえ。将来が楽しみです」
「からかわないでください。あなたに楽しみにされる筋あいはありません」
「あれ、怒りました? ごめんなさい。じゃあお詫びに、今度デートでもしませんか」
「なっ……な、なにを言ってるんですか? しませんよ」
「えー、しましょうよ。犬、見せてください」
「意味がわかりません。犬嫌いなんですよね?」
「そうじゃないですよ。好きだの嫌いだのいうほどの興味はないけれど、ただシュナ様が好きとおっしゃるなら、それならば見ておかないとって思っただけです」
「全然わかりません。またからかってるんですか?」
「そうとらえていただいても構いませんよ、今は」
全く本心の窺えない、作られた笑顔を浮かべてそう言いながら、レトリーはすっとシュナの前で膝を下り、腰を落とした。
「じゃ、約束ですよ。また改めて手紙でも書きますね。今後ともよろしくお願いします」
そう言ってレトリーはシュナの小さな手を取り、真っ白な手の甲に恭しく口付けた。
「おやおや」
いつの間にか父親二人はすっかり会話を止めており、若者たちの初々しいやりとりを見てにやにやと口元を緩ませている。
ぽかんと口を開けて驚くシュナの目に、レトリーの飄々とした軽薄な笑みが浮かんでいた。
「レトリー様、かっこよかったですねぇ」
その日の夜。
湯上がりのシュナのつややかに濡れた髪を丁寧に拭きながら、侍女のマルチはそう言った。
背中の半ばほどまで伸ばしたゆるやかな髪は乾かすのに時間がかかるので、この時間にこうして女同士の他愛ないおしゃべりに興じるのが、シュナとマルチの――そしてウルクの日課だった。
シュナは目の前に座ったウルクの大きな背中を拭きながら、思い切り嫌そうな顔をしてマルチを振り向いた。
「えー。あの人が?」
こんなこと、ベルマンには絶対に言えないけれど、シュナはウルクに首輪を付けないばかりか、いつも入浴まで共にしている。マルチと、マルチの信頼するメイドだけが知っているシュナの秘密だ。
ただ、秘密のことではあるけれど、実際は誰に咎められることもない。
ベルマンは家を空けることが多いし、母もいない。二人の姉は共に嫁いで家を出てしまっているので、実質、シュナはこの広い州城の主のようなものだった。
誰かに何かを言われることもなく、ウルクとふたり、自由に、気ままに過ごしている。
「えーってなんですか、シュナ様。スタイルも良くて、整ったお顔立ちで……まさに『色男』って感じですよねえ」
「でも、あんまり性格は良くないと思うわ」
「いいじゃないですか。ちょっとくらい意地悪なほうが、刺激があって」
「えー。マルチは、ああいう人が好きなの?」
「何おっしゃってるんですか。私じゃなくて、シュナ様がお好きになっていくんでしょう」
「えっ?」
予想もしていなかった言葉に、シュナは身体を強張らせてマルチの顔を凝視した。見るとウルクもマルチを振り向いて、シュナと同じような顔をしている。どんなにウルクが大きくなっても、相変わらずきょうだいみたいな様子の二人が可愛らしくて、マルチはくすくすと笑ってしまった。
「ごめんなさい、そんなお顔をなさらないで。まだ婚約者の候補になったばかりで、ちょっと気が早かったですね」
「もう、やめてよ。あの人と結婚することはないと思うわ」
見下すように笑われたあのときの、なんともいえない不愉快な感情が忘れられない。たとえ父親が勝手に婚約者の候補に加えたのだとしても、少なくとも自分が選び取ることはありえない。そんな強い思いでそう言ったのだが、マルチはシュナの言葉を別の意味でとらえて頷いていた。
「ですよねえ。顔はいいですけど、ちょっとご身分がねぇ」
本気でそう思っているような声色に、がっくりとシュナは肩を落とした。
「もー、今はそんな話をしてるんじゃないの」
「あら、そうですか? でも、思えばシュナ様ももう十二歳なんですよね。十六になれば社交界デビューもすることですし……そろそろこういった話もしておかないと」
「釣り合うとか合わないとか、そういう話?」
「そうですよ。ルシアーノ家は代々王宮騎士団の中枢を担う軍閥の名家なのですよ。紅爵位をお持ちの貴族は多くいますけれど、その中でも発言力があって一目置かれています。お二人のお姉様たちと並ぶ……とまではいかなくとも、それ相応の方とご結婚なさらなくては」
「……」
明日の朝、大事な話があるから部屋に来なさいとベルマンに言われていた。それはおそらく、このような相応しい相応しくないの話なのだろう。若くして嫁いでいった姉たちの背中を見て育った身としては、いつかは自分も通る道なのだろうとわかっていた。
「ましてやシュナ様は、お婿様を取るという形になりますからね。やがてこのお城を継がれるお方と考えると、やはりそれなりの地位やご身分のある方に……なんて思ってしまいますよね」
答える返事は、深いため息になり代わった。改めて自身の境遇を考えると、シュナにとってそれは、なんとも気の重くなる話だった。
「わたし……できれば、今のままがいいな。ウルクとマルチがいて、たまにお父さまが帰ってきて……今そんな日々を過ごしているんだから、これからもそうやって過ごしていけばいいのに。どうしてそれじゃだめなんだろう」
すっかり冷えてしまった身体にガウンを羽織り、子ども部屋へ続く廊下を歩きながら、ぽつぽつと沈んだ声でシュナは言う。曇った空から、月明かりは届かない。先まで見通すことのできない暗い廊下が、文字通り先行きの暗いシュナの将来を暗示しているような気になって、余計にシュナは声の調子を落とした。
「……そうですね。でも、やっぱりいつかはどなたかがご結婚してお子様をお産みにならないと。国王様から戴いた爵位が途絶えてしまうというのは、大変な問題になるのだと思います」
「……そっか、子どもかぁ……」
「ええ。本当は、長姉様がお婿様を取られるのが一般的なんですけれども……」
シュナの二人の姉たちは、二人ともベルマンの決めた相手の元へ嫁いでいった。発言力の高いルシアーノ家と縁を持ちたいという貴族は多いが、同時にまた、元々は一騎士に過ぎなかったルシアーノ家の地位は、王都圏を含む国全体で見れば決して高すぎるというわけでもなかった。望まれれば断れない相手から縁談を申し込まれた場合応じるほかなく、ベルマンはシュナの相手こそは自分が選んで婿に入れるのだと、日々そんな悲願を口にしていた。
「……むずかしいなぁ」
マルチが退出し、ウルクとふたりきりになった子ども部屋で、シュナは浮かない顔のままベッドに背中を投げ出した。
同じベッドに、軽やかに跳ねたウルクが上ってくる。
子ども用にしてはだいぶ大きなベッドでも、さすがに今の大きさのウルクが乗るとふたりで寝るには窮屈だったが、それでもふたりは一緒に眠ることをやめなかった。
はぁ、とため息をつくシュナの頭の上、いくつも置かれたふかふかの枕をぽいぽいとベッドの下に蹴り出して、そこにウルクは大きなその身を横たえた。仔犬だったときはシュナの腕の中で眠っていたウルクだったが、今では逆にシュナを抱き込むように丸まって眠る。シュナはいつもそうしているように、めいいっぱいに腕を伸ばしてふわふわのお腹の毛並みに顔をうずめた。
「結婚のことなんて、いままで、考えたこともなかったなぁ」
こぼれ落ちたため息が、ウルクの横腹のやわらかな毛をくすぐっていく。くう、と一声ウルクは鳴いて顔を落とし、シュナの頭を撫でるように頬を擦り付けた。
「でも、考えようによってはラッキーよね。お婿さんが来るってことは、ずっとこのお城で暮らせるってことだもん。ウルクと離れずにすむね」
わう、わう。「離れる」という不穏な単語を聞き留めて、落ち着きなくウルクは鳴いて、仔犬のようにシュナに甘えてくる。
「大丈夫。たとえお嫁に行くことになっても、ウルクだけは一緒に連れてってもらうから。まあ、さすがに結婚したら、こうして一緒に寝ることはできなくなっちゃうかもしれないけど……」
わう、わう。イヤだイヤだとだだをこねるように、ウルクは首を振り、しきりに顔をシュナに頭に擦り付けた。シュナよりも大きなその顔を、シュナは安心させるようにわしゃわしゃと力を入れてひとしきり撫で――その後に、ふと思い立ったようにウルクに目線を合わせた。
「前から思ってたけど、ウルクって本当に賢いよね。わたしの言ってること、わかってるんだよね?」
わう。相槌のように、返事が返ってくる。ご丁寧に首まで縦に振って。
本当にウルクはわかっているのだ。シュナの言葉も、その意味も。
マルチには何度もそう言ってみたけれど、彼女は笑って取り合わなかった。ウルクが賢いことは、マルチだけではなく、この城の誰もが知っている。利口で聡明で穏和しい犬。それが皆のウルクへの評価だった。
けれど、違う。
そうではない。そうではなくて。
ウルクはたぶん、本当に理解しているのだ。
「ウルク……大丈夫。大丈夫だよ。大人になっても、ずっと一緒だからね」
ウルクに話しかけていると、よくシュナは、会話をしている気になってくる。相槌や頷きのタイミングが完璧だし、鳴き声のイントネーションや強弱で、ウルクが何を訴えたいのかもだいたいわかった。
つまり、シュナは、ウルクのことをただのペットだとは思っていなかった。
そんな段階はとっくに超えているか、あるいは最初から経ていない。
シュナにとって、ウルクは――
親友より、血縁より、誰よりも心の距離が近しい存在を、いったい何というのだろう。
それを言い表す適切な単語を、まだ十二歳の少女は知り得ない。
「……」
しばらく黙ってシュナの言葉を聞いていたウルクは、ふいに顔を上げ、身体をわずかに起こした。その身に抱きまくらのように腕をまわしていた、シュナの身体も一緒に持ち上がる。とっさに腕を外したシュナのもとにウルクは顔を近付けて、くん、くん、と鼻を鳴らした。
「……ウルク? どうかした?」
しばらくシュナの左手のにおいを嗅いで――ウルクは、ぺろりとその甲を舐めた。
「え? 何?」
ぺろぺろ。手を引いても追いかけてきて、執拗に左手の甲をウルクが舐めていく。
ほっそりとした小さな手。
初めてシヴァインの動物商の店で逢ったとき、ぽろぽろと涙をこぼしていたシュナを、慰めるように必死に舐めていたのもこの左手の指だった。
「……ウルク」
左手の甲。今日、初めて、男の人の唇が触れた箇所。
これも、ウルクの慰めなのだろうか。
まるで上からにおいを重ねるように、何度も何度も執拗に、その一点だけを舐め続けるその行為は。
「……もう、やめて。ウルク」
手の甲とはいえ、男の人の唇が触れたという事実は、なんとなく気まずい。ましてやそれが色よく思っていない人ならばなおさら、できればそのまま忘れていたい出来事だった。それなのに蒸し返すようにそこばかりを舐め回されて、ついつい強く止めてしまった。
「……」
やめてと言えば、ウルクは止まる。いつだってそうだったし、今もそうだ。
ただし、とても不服そうだった。
ぐう、と喉の奥で小さく唸り、責めるような瞳でじいっとシュナの瞳を見つめてくる。
真っ暗な夜の闇の中、かすかなランプの灯かりをあつめて光る、
もの言いたげな鋭い視線に貫かれて、シュナはドキンと鼓動が跳ねるのを感じた。
ウルクは、何を言おうとしているのだろう。
シュナに関わる全ての事情を理解して、この犬は、いったい何を思うのだろう。
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