第1145話 ミスズをよく知る同業者達
『
まだ捕えられていないその一名こそがこの間諜たちの代表格なのだろうが『一組』組長である『ヒノエ』であれば問題なく捕えて戻って来るだろうと『
ソフィ達はそんなシゲンやミスズ達について行き、ヌー達の居る『
「てめぇら、ようやく戻ってきやがったか」
ソフィとセルバスの姿が見えると、ヌーは溜息を吐いてそう言った。
「クックック、どうやら調子を取り戻したようで何よりだ。テアの慰めが効いたらしいではないか、なあ、セルバス?」
「へっへ……、そうですね、旦那!」
スオウに特務の場所を案内される前、こっそりとヌーの様子を見に行ったソフィ達だったが、そこでしっかりと反省を行うヌーと、気落ちしていたそのヌーを必死に励ましていたテアの姿を見ていた二人は、こうして元気になった様子のヌーを揶揄うのであった。
「てめぇら、見ていやがったのかよ?」
「クックック、さて何の事かな。まぁ、それより元気になったようで何よりだ」
「ちっ……!」
「――?」(ソフィさん、何て言っているの?)
「大した事じゃねぇよ」
どうやら全て見られていたのだと悟ったヌーだったが、別にそれならそれで構わねぇといった様子で、ソフィが何て言っているのかと聞いてきたテアに、気にするなとだけ口にするのだった。
黙ってソフィやヌー達の会話を聞いていたシゲンやミスズ達だったが、ようやく会話が一段落したところで、副総長のミスズが口を開いた。
「お連れの方も目を覚まされたようで何よりです。それではソフィさん達の事を詳しくお聞かせ願いたいとは思いますが、まずは本題に入る前にこちらを済ませても構わないでしょうか」
「我達の事ならば気にせぬとも良いぞ。お主らの気になる事を終えてからで一向に構わぬ」
「ありがとうございます、それでは総長」
「ああ……、お前に任せる」
「はい」
ミスズはシゲンの言葉を受けた後『
「ソフィ、何だこいつら」
「我もまだ良くは分からぬが、どうやらシゲン殿を監視していた者達のようだ。ここに戻って来る時に、こやつらがシゲン殿から逃げようとしたところを取り押さえられて、連れてこられたというところだな」
「ここの連中に恨みがある奴らって事か」
「さて、それはどうだろうな」
テアの横に居た筈のヌーだが、いつの間にかソフィの元に立っていて、寝ころばされた男たちについて小声でソフィと話し始めるのだった。
この場に連れてこられた『
そんな『
「さて、貴方がたには聞かせて欲しい事が多数あるのですが、素直にお答えして頂けるならば、解放をしようと思っています。我々の疑問を解消していただける努力を行って頂けますでしょうか?」
倒れている男たちに自分の言葉がよく言葉が聞こえるようにミスズは、膝に手をつきながら中腰の態勢のまま男たちに声を掛けるのだった。
「あ、あ……、あひゅっ!!」
ミスズが眼鏡をくいっとあげながら目を細めて『
ミスズに問いかけられた男は、まともに返事が出来ない程に小刻みに身体を震わせている。それを見たミスズは小さく溜息を吐くのだった。
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