第392話 大魔王ソフィの存在を察知した次代の魔族達
ディアトロスと戦っていた大賢者ミラは、ソフィの『
「何だ? 身体が……!」
大賢者から見ても異常な魔力を感じて、南方で戦う者達に意識を向ける。そして相対しているディアトロスも合わせるように口を開く。
「カッカッカ! よく覚えておけよ若造? そう遠くない未来、この魔界は
先程まで不気味な笑みを浮かべていたディアトロスだったが、そう告げるディアトロスの顔は真剣そのもので、如何にこの膨大な魔力の主に対して思い入れがあるかをミラは感じ取れた。
「全く。エルシス殿といい魔族といい。上を見ればキリがないな」
ディアトロスは、独り言のように呟いたミラの言葉に耳を傾ける。
(今は人間界の皇帝か南方のロンダギルアの命令で動いているようだが、コイツはいずれ我らを相手に『アレルバレル』の支配を考えているな)
ディアトロスはこの目の前の人間の考えを得意の
「さあ、もういいだろう? 続きをやるぞ」
そう言ってディアトロスが再び『金色のオーラ』を纏う。
しかしソフィの魔力を感知した後から、どうやらミラの様子がおかしいことにディアトロスは気づいた。
「爺。悪いが今回はここまでにしてもらう」
ミラはそう言うと『ディアトロス』に背を向けながらそう告げた。
「俺は俺の野望のために、やらなければいけない事が出来たようだ」
そういうとディアトロスを瞥見して、やがてその場から離れるように『転移』していった。
「舐めるなよ若造。この儂が簡単に逃すと思うか?」
ディアトロスもまたその場所から、ミラの魔力を探知しながら『高速転移』で追尾する。
……
……
……
ロンダギルアとその一味を倒したソフィは、南方大陸の上空で生存する敵の魔族が居ないかを確認する。
「どうやら全てが終わったようだな」
ソフィがロンダギルアと戦っている間、戦争は至る所で行われていたようだが、各所で戦闘音が止んだのを感じ取ったソフィがそう独り言ちた。
――どうやら『魔界』全土の戦争が粗方片付いたようだった。
……
……
……
ソフィの『
「クックック! 南方大陸の『
ヌーは鋭利な牙を見せながら南方大陸から自分達の大陸に入り込んできた『ロンダギルア』一味の魔族の首を掴みながらそう口にした。
「グ……ッ! カハッ……!」
首を絞められて苦しそうな表情を浮かべながら、その魔族はヌーの顔を見る。
「この俺が震える程の魔力……! どうやらまだまだこの世界には、この大陸以上の化け物が居るようだ。これからがより楽しみになったな。いずれは全てこの俺が手に入れてやるぜ!」
ニヤニヤ笑うヌーは心底嬉しそうにしていた。
「返事をしやがれや! この雑魚がぁっ!」
しかし上機嫌だったヌーは、突然に青筋を立てたかと思うと掴んでいた魔族に対してキレた。どうやら返事をせずにヌーを睨んでいたその魔族に苛立ったのだろう。
「ヒャハハハッ!!」
首が引きちぎれて空から地面に落ちていく魔族を眺めながら、ヌーは高笑いを始めるのだった。
アレルバレルの『魔界』南方から攻めてきた大魔王達は、この北西側に位置する大陸の支配者であるヌーに全員が、返り討ちにあって誰も居なくなっていた。
『ヌー』はまだ魔族としては若くこの時はまだ、
(※リラリオの世界で『ユファ』に出会った頃の
……
……
……
――更に『魔界』北方・東側の大陸。
「中央の大陸には手を出すなと長老達が言っていたが、こういう事だったのか」
この北方東側の大陸でもソフィの膨大な魔力を感じ取った『
――この武人の名前は『イリーガル』といい。
「軟弱な奴ばかりで嫌気がさしていたところだ。いつか手合わせを願いたいものだな」
――彼の背後には、数千体の魔族の首が刎ねられていた。
……
……
……
単に自分の力を試したいと思う者や、この世界を支配しようと企む者。戦争で戦う事に愉しみを見つけた者。この戦争によって『アレルバレル』の
そしてこの新たな時代の幕分けともなった『
その戦争のきっかけとなった『ロンダギルア』と手を組んだ人間界の支配者である『皇帝』。
彼らがソフィの大陸を襲わなければこの戦争は全く別物となり、
――しかし『ロンダギルア』が実際に行動を示した事で、現実に戦争は起こってしまった。
そして力ある者達は、こぞってソフィの魔力に着眼して『ロンダギルア』を葬った『ソフィ』は、
――これ以後『アレルバレル』の『魔界』では、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます