第55話 ☆オリジナリティの在りか

 さて、もう2カ月も前のことです。私はウェブコン参加直前に、参加作品を変更するという暴挙に出ました。その詳細に関してエッセイではほとんど触れなかったのですが、コメント等で『オリジナリティの問題である』と少しお伝えしました。オリジナリティ……要するに自作品が既存の別作品に似ている、要するにパクリではないかという問題ですね。みなさんは自身の作品のオリジナリティについて悩まれたことはありますか?


 私は他作品を読んで「よし、自分もこういう物を書こう!」とはならないため、基本的には他作品に寄せようと思うことはありません。ただ、人間の思考というのも限界があって、図らずも懸命に書き上げた作品が他作品と似てしまうということはよくある話だと思います。パクろうと思っていたわけではないのに、執筆後に類似作品を見つけてしまう。不思議な話なんですけど、書いている時って意外と気付かないもので書き上げた作品を俯瞰してみた時にその類似点に初めて気づく。他の人が良いといっても自分で許せなかった、そんな経緯で掲載を諦めました。


 オリジナリティって難しいですよね。世に作品は次々生まれているわけで、他作品との類似点が全くない作品なんて物はもう生まれてこないかもしれません。そうなるとどういう部分でオリジナリティを主張するか。類似点をどう自分なりにアレンジするか。どこからがパクリでどこからがオリジナルなのか。その線引きが非常に難しいなと感じています。


 カクヨムでずっと気に入って読んでいた作品がありまして、その作品がとある有名作品の模倣であると知った時衝撃を覚えました。あまりの類似点が溢れる状況から明らかなパクリであると感じましたが、その作者様はどういう心境で書かれたのでしょうか。知らなかったのかな、もしくは確信犯だったのかな? 色々と考えてしまいました。


 皆さまは既存の作品との類似点について自身の作品の中でどう折り合いをつけていますか。オリジナリティとパクリの境目。自身でも時折悩みます。


 自分なりに考えた答えは『作品に込める物が違えばそれはパクリではない』という結論です。展開が似ていようと設定が似ていようとそこにオリジナルの精神があればそれは自分の作品と呼称してもいいのかなと。今当該作品を改稿中ですが実に難しい問題だと感じています。

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