第57話 ☆主人公はお好きですか?

 さて、皆さまはどんなことを思い描いて主人公のキャラクターを創られますか? 自身の思いを述べてくれる分身でしょうか、それとも物語を引き立てる効果的な存在でしょうか? 主人公がいない物語という作品はさすがにない訳で、物語には各々の主人公が必ず存在します。何故、こんな問いかけをしているかと言いますと実は私、主人公というものを作るのがすごく苦手なのです。


 私が他人様の物語に触れた時、好きになるタイプは基本的に主人公ではなく、そのサイドを固める二番手、三番手のキャラクターなんですね。頭脳明晰なさらっとしたキャラクター(イケメン笑!)、割と人気が出やすいタイプのキャラクターです。みなさんも漫画のキャラクター人気投票など目にしたことがあるでしょう。そういうキャラクターが主人公を押さえて1位2位に輝いている場面を。彼らは物語人気を支える重要な役割を担っているのですね。で、ふと考えます。そのキャラクターが主役の作品を創れば、物語人気が出るのだろうか……と。


 答えは恐らく否です。人気キャラクターが主役になったところで、物語が盛り上がるかというとそうではないと私は推測します。脇役は脇役だからいいのですね。主人公に必要な要素は主人公しか持っていない。物語に必要な友情、努力、勝利などの要素、それらを成し得るのはあくまで主人公なのです。主人公あっての物語ですよね。


 そんなわけで、自身の好みのタイプと離れた人物を主役に持ってくるために自身の中で多少の戸惑いが生じます。出来るだけ、好みのキャラクターにしたいと奮闘しますが、中々これが難しいぞと。いつも悩みの種です。


 そもそも主人公になった時点でキャラクターの個性って減るような気がしません? 私だけかな。誰もが共感できるキャラクターになることの裏返しに、そのキャラクターの尖った魅力が減じるような気がするのです。主人公になってもなおその鋭さを保ち、どうしても惹かれてしまうキャラクターを作り上げたいなと奮闘するのですが。私が望んでいるのが主役タイプでない主人公なので、そこもまた難しい点かもしれません。


 主人公のキャラクターは物語の色となるだけに苦心します。主人公作りに毎度骨を折ってます。自分らしい主人公を書きたいという思いは常々あるのですけどね。

 主人公作りって難解だよねと。そこに創作の楽しさもあるのかもしれませんが。

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