第6話 読書の感想

 ここ最近、日本ファンタジーノベルの対策のためリアル読書をしてまして、読んだ作品があまりに面白かったのでご紹介します。


 まず、一作目は森見登美彦先生の『太陽の塔』です。もうね、これ、凄かったです。どう凄いかって。私、読書して爆笑するの初めてでした。京大に通う主人公とそれを取り巻く仲間たちの何でもない日常を扱った作品なのですが、具体的にどこが面白かったかはネタバレになるので書けませんが、みんな異常です。基本斜めの変な人たち。普通文章って力の入れ具合が50%の所もあれば80%の所もあるし、30%もあるし(それは無い?)、って具合だと思うんですけど。この作品、ほぼ100%を維持したまま投げきってるなと言う印象で。面白いテンションのままで繰り広げられるストーリー。隙あらば笑わせて来る感じです。その笑いを支えているのは豊富なボキャブラリー、つくづく自分は言葉を知らないなと勉強になりました。


 次に読んだのは『六番目の小夜子』です。恩田陸先生の作品ですね。物語はとある・・・高校に『津村沙世子』という転校生がやってくるところから始まります。その高校は3年に1度『サヨコ』と呼ばれる生徒が選ばれて、サヨコは他人には絶対内緒のうえ1人で校内で活動し、その活動の如何がその年の受験の吉凶を左右するというゲームが行われています。この作品は一転、笑い一切なし、特に文化祭のシーンなどは鳥肌が立つような恐ろしさを感じるある意味ホラーのようなテイストでした。文字を追うごとに感じる恐怖と期待。沙世子の秘密を知りたくてページをめくる手が止められませんでした。


 最後は昨年の受賞作、高丘哲次先生の『約束の果て―黒と紫の国―』です。上の2作品が「どのへんがファンタジー??」と思ったのに対してこれはメチャクチャど真ん中のファンタジーでした。実は買う時に買うか迷ったんです。単行本だし高いし……、でも、他の受賞作は置いてなかったので「よっし、勉強のために買おう!」と最後に手に取った1作でした。結論を言いますと、いやー、すんごい面白かったです。かなり面白かったので「面白いな、面白いな」と今でも机に置いてチラチラページをめくっております。南朱列国演義なんしゅれっこくえんぎ歴世神王拾記れきせいしんのうじゅうき、2冊の書物の中にだけ記されたコウとジナンという国の存在。2書を紐解いていくにつれて明らかになる2国の悲劇。キーとなるキャラクター、バキュウとヨウカ、ヨウカとシンキ。ストーリーが複雑に絡み合い読み進めると2つのストーリーが徐々に交わる。その時の快感。ああ、そうだったのか。そうだったのか。ともう感動モノでした。日本ファンタジーノベル関係ないからいいよ、と言う方にも多分勉強になるのでお勧めです。


 他の作品は読めてないので気が向いたら取り寄せしようかなと思ってます。とにかく日本ファンタジーノベルって面白いんだな、と感激いたしました。


 逆にハードルは高いぞ! という…………。

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