第173話 魔王討伐の対価



フェリは超弩級に焦る。




魔王軍の王都への進軍

木の女神の魔王城での幽閉

勇者の魔王討伐が絶対に成功するわけでは無い事実



このままモチベーションが下がっていけば、今は冗談めかしているものの・・・


『ユシアが魔王討伐をあきらめる』という事態が現実になりかねない。


そもそも勝手に勇者に選ばれただけで、光栄ともなんとも思わなければ、迷惑でしかないし・・・今更ながら



「魔王討伐?いやいや、やりませんよw、コスパとタイパが悪過ぎるでしょw」



なんて言われたら・・・く、何も言い返せない。



どうすればいい?

何かユシアが望むモノを対価にするのはどうかしら


なんだ?何か、ないか!

世界を救う対価は!




$$$




次の目的地が魔王城と決まった後、フェリは、ユシアにこっそり話しかける。



「ユシア!ユシア!」


「?」


焦り気味なフェリをユシアは落ち着いて眺める。



「ひとつ言っとくけど!・・・もし魔王討伐が叶った暁には・・・」



暁には・・・




女の子にモテるわよ!!




そのタメてタメて発した言葉をユシアは無表情で聞く。


「・・・モテとか、別にどうでもいいし」


ぷいと横を向いて突き返す。



(モテる・・・モテる・・・)



無反応でショックを受けるフェリの横で、その言葉は、ユシアの心の奥深くに『刺さった』。





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