第71話 ソウリオの仲間はずれ
ソウリオは時々思い出す。
聖教会の仲間から『居ない者』扱いされて追い出された時の事だ。
まぁ色々と思い当たる自分の非はあるものの、やはりショックは大きかった。
「妖精様が居る?それは本当か?」
ソウリオには、フェリの姿が見えない。マジョがユシアの上方を指差す。ソウリオは恨めしそうに全員の顔を見る。というか仲間内、妖精を崇める聖教徒だけがフェリの姿を見えないのもなんだかなーと思う。
「いいな、羨ましい」
その羨望の眼差しに戸惑う周囲
「別にそうでもないわよ?」
マジョはフッと息を吐きながらソウリオを慰める。
「どういう意味だ、ごぉら!」フェリは怒った顔でマジョに突撃するもマジョは簡単にそれを避ける。
「くぅ・・・妖精様か、きっととんでもなく『神々しく』、『お美しい』お姿なんだろうな・・・」
フェリは、嬉しそうな顔でポーズを取っている。
「・・・別にそうでもな・・・」
ユシアはフェリの鬼の様な視線に気づいて言葉を吐き出すのを途中で止める。
「おらお前ら、無駄口叩かず足を動かせ、ペース遅れてんぞ」
あまりの騒がしさを見かねたセンシが注意する。
「・・・ふふふ」
急いで足を動かしながらソウリオはこっそり笑う。
「よーしみんな、怪我をしたら言ってくれ、すぐに私が治してやるぞ!」
ソウリオは元気そうにそう呼びかける。
「・・・」
ユシア達は無言でその言葉を流して先に進む。
「ちょ、今の言葉、無視は酷くない?」
しばらく経ってもまだソウリオの声が後ろの方から聞こえていた。
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