第61話 キープ君、ユシア、(その方がよほどビッチ!)



「ユシア殿、私を正式に仲間に加えてくれないか?」





ソウリオは改めて、ユシアのパーティーの一員として

旅に同行したいと言ってきた。


ユシアの頭上で、フェリが悩みながら飛んでいる。

「でも、伸びしろあるし、でも伸びしろあるし」

と頭を抱えながらぐるぐる回る。




(え、俺が決める事なの?、こういうのはリーダーであるセンシが・・・)




センシの方を向くと

めちゃくちゃ嫌そうな顔でソウリオを睨んでいる。


ユシアの視線に気づくと

「首だ、首にしろ」と言いたげな視線をこっちに向けてくる。



あー・・・




「まぁいいんじゃない?」


ユシアは曖昧な言い方で濁す。





「仲間になった理由を聞いて欲しい!」





周りの空気をいっさい読まずに、

ソウリオは話し続ける。



「私の夢は『勇者パーティーの回復術師になる事』、この夢にブレはない・・・だが・・・私の回復術は、ちょっと問題がある」



(ちょっと?)



「そこでだ!・・・まだまだ修練を積む必要がある、ユシア殿のパーティーならば怪我人も多そうだから、私の回復術の実戦練習に持ってこいだと思ったんだ」




ユシアは、

センシがソウリオに剣を振り上げているのを必死で抑える。





・・・





その話を横で聞いていたマジョは思う。





それって・・・・





本命は別に居るけど

練習であなたと付き合ってあげる、的な?

所詮、あなたはキープ君なのよ、みたいな?



この間、ビッチ呼ばわりされたけど・・・






この女・・・そっちの方が・・・余程ビッチ!!






などという反論が頭を掠める。

眉はピクリと動きながらも

(平常心、平常心)と呟きながら考えない事にした。




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