『勇者の証』が『股間』に出たけど、ボロンする勇気がないので偽勇者に追放される ~今さら本物の勇者だと気づいても、もう遅いこっちは美人姫騎士とのんびり旅を進めるんで~
第23話 ユシアvsチー牛、パワー足りてる奴来ちゃった
第23話 ユシアvsチー牛、パワー足りてる奴来ちゃった
ユシアの突然の乱入に魔獣側は怒り出す。
人間側の十天衆にトドメを刺すという
最高に盛り上がる場面に水を差されたからだ。
一匹のゴブリンが剣を構えて、ユシアに向かって突撃していく。
パンッ!!
何かの弾ける音と共に
ゴブリンはユシアの目の前から一瞬で消える。
いや、ユシアの斧の一撃を真横から喰らって吹っ飛ばされたのだ。
悲鳴と共に数十メートル先にそれは落下した。
冗談のような一撃に戸惑う魔獣たち
ユシアは一匹倒して、なお不満そうであった。
(・・・今のは、とっさに片手で振ったけど、あんまり力を込められなかったな・・・)
両手なら・・・もっと
「くくくははは、誰だか知らねぇが、イイパワーじゃねーの!」
牛鬼は謎の敵の乱入に昂り、
鉄の棍棒を天高く振り上げて、思い切り振り下ろす。
「おらぁああああ!!」
潰れたトマトのように体が弾ける映像が浮かぶほどの威力・・・
だが、現実はそのイメージとズレる。
ユシアはその攻撃をきっちり受けきっている。
「チー牛様の攻撃を・・・防御した・・・だと?」
ざわつき始める魔獣たち
(ん?そんなにすごい事なのか?、むしろ、スライムの攻撃よりも、予備動作が 分かり易かったが)
「狼狽えるな、馬鹿者共!」
「今のは、チー牛様が『手加減』をなされたのだ、そうですよね、ね」
「え・・・」
「まぁ・・・・・・そうなんだけど!、わかっちゃった?」
わー!!!
やっぱり、チー牛様は最強だ!!!
チー牛!チー牛!
「はは、なかなかやるじゃねーか、では次は『もう少しだけ本気』を出してやろう」
ぬん!!
牛鬼は棍棒を振り上げて何度もユシアに殴りつける。
だが、ユシアも防御に徹してそれをさばく。
(ちゃんと対応できる、スライムとの攻防の成果が出てる)
全力ラッシュに
息が切れかける牛鬼
無茶な攻撃に牛鬼の態勢が崩れる。
チャンス!
牛鬼からの視点
ユシアは斧を構える。
ただそれだけであるのに、鳥肌が全身に立つのを感じる。
初見の攻撃であるにもかかわらず
「ヤバい、ヤバい、ヤバい」と本能が全力で警鐘を鳴らす。
しっかりと腰を入れた『横薙ぎ』
ユシアが何千回も繰り返してきた、斧で木を切る基本動作だ。
ぼっという風切り音と共に、牛鬼の鉄の棍棒にぶち当たった瞬間
ギギギギギギッッンン!!!
金属と金属が強くぶつかる高い音が周囲に弾ける。
あまりの衝撃にのけ反る牛鬼
見ると・・・
鉄の棍棒が中心まで深くえぐれ、削り取られている、
(いや、いや、いや・・・おかしいだろ? どう見ても 金属のえぐれ方じゃ なくない?)
牛鬼は改めて理解する、
目の前に居るのは、『とんでもない怪物』であることを
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