さぁユシア冒険の旅に行くわよ！

『先代勇者戦記』を頼りに世界を巡るの

四大神から加護を受け継いで目指せ魔王討伐

ハラハラワクワクするわね

そして、魔王討伐のアカツキには、とても綺麗な王女様と結婚できるみたいだし

きゃー、ユシアの果報者ー！

＄＄＄

ひとしきり

喋り終えたフェリは、ちらりと横を見る。

ユシアはすごく落ち込んでいる。

三角座りして、まだ顔を上げない。

「・・・あう・・・なによ、股間見られたぐらいで」

「は？」

ユシアはフェリの服を摘まむ。

「ごめん、ごめん、悪かったって」

・・・

「むしろ！・・・どうしてそんなに嬉しそうじゃないの？・・・勇者よ、勇者に選ばれたのよ！」

「はぁ、そうですね」

一切興味が無さそうな。ユシアの生返事にフェリはむっとする。

「あの偽勇者の前で、どうして『本物の勇者の証』を見せて疑いを晴らさなかったの？・・・ざまぁできたわよ？ざまぁ」

できるか！

そんなん完全に変質者、その時点で村を追放されるわ

「えーそんなもの？」

フェリは首をかしげる。

確かに股間を晒すのはマナー悪いけど、そこに勇者の証があるのなら！

妖精界隈じゃ『ギリギリセーフ』だわ

（ない、それはない）

ユシアは呆れて何も言い返せなかった。

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