第7話 ギルド公認雑用係 その七

子猫亭の一室、サックはベッドの上にあぐらを組み巾着の中からお金を取り出しひろげていた。


金貨、四十八枚

銀貨、三十二枚

銅貨、百七十枚


「今日、初めてお金を使ったけど、一日どの

くらいあれば生活できるんだろう。」


取り敢えず子猫亭では、

宿代一日銀貨一枚

食費十二人分で銀貨八枚だったから一人一食で六.六六六六六………

少しまけてくれてたのかな?後で聞いてみよう。

取り敢えず一人一食銅貨七枚として…

三食で一日銅貨二十一枚…

銀貨二枚、銅貨一枚


生活するだけなら金貨三枚弱必要だと言うことか…その他雑貨等必要になるから、


「一ヶ月ちょいは暮らせるか…ちょっと余裕

はあるけど早く稼いだ方がいいな。

よし、ギルドに行って仕事を探そう」


部屋を出てカウンターへ向かう。

お昼のピークを過ぎたのかお客の姿はなく、カウンターにはマチカちゃんが座り店番をしている。


あれ?なんかユラユラ揺れてるけど…

「んなぁ~~」

あはは、大きなあくび。お手伝いで疲れたんだろうな。


「お疲れ様マチカちゃん」


声をかけると飛び上がるように背筋がピンと伸び猫耳と尻尾も毛が逆立ってしまった。


……………


少しの沈黙の後、横目の上目使いでこちらを見た後、照れたように笑いながら


「どうしました?おにぃさん。何かご用です

か?」


と、接客してくれた。


自然に目が垂れ下がり頬が緩んでいく。

癒しとはこういうものだよと思っていると、

「妹はやらないよ…」

背後からシャルトがボソッと語りかけてくる。


静かに振り返り、

もうそのネタはいいですよ。と一言。


「ちょっとギルドで仕事探して来ますので鍵

を預けに来ました。」


シャルトを見ながら、カウンターのマチカちゃんに鍵を渡す。

「はぁい。お預かりします。夕飯はこちらで

お召しあがりですか?」


「夕飯か…せっかくだしいろいろ見ながら外

で済ませようかな。」


「そうですか…残念です。

気をつけて行ってきて下さい。」


垂れ下がった猫耳を見つつ、明日はここで食べようと心に決めた。…夕飯といえば


「あ、そうだ。さっきの代金、正規の値段は

いくらですか?さっきまけてくれたようで

すが」


「通常銅貨八枚だね。まぁウチのが原因だか

らね、サービスさ。次からは最初にいくら

か確認するように。」


そりゃそうだとおかしくなりごちそうさまでしたと挨拶をし子猫亭を後にギルドへ向かった。




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