第5話 ギルド公認雑用係 その五

席につくと猫獣人の女の子が水をもってやってきた。


「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりです

か?」


「マチカちゃんお疲れ様。私は本日のおすす

めもらえる。」


「はいおすすめ一つ、そちらのおにぃさんは

どぉしますか?」


「僕もおすすめをお願いします。マチカちゃ

んてゆうの?僕はサック、今日からしばら

くお世話になります。よろしくね。」


椅子から立ちマチカの前にしゃがみこみマチカとは目線を合わせ挨拶をする。


「はい。よろしくお願いいたします。おすすめ二つすぐお持ちしますね。」


マチカは顔の前にお盆をもってきて頬を赤らめ、元気に返事をして奥へと駆けていった。


手を降り席へ戻るとジャムがじっと見ながら


「家の妹に手を出したらただじゃおかない二

ゃよ。」


と鋭い目で見つめてくる。頬袋がなければヒヤリとする眼光だ。


「挨拶しただけですよ。もう変なこと言わな

いで下さいよジャムさん」


クスッと笑いリノアが問う。


「では、お話聞かせてもらえますか?」


「五年程前、俺は気がついたら全く知らない

木々に囲まれた場所にいました。」


「気がついたら?」


「どう言うこと二ゃ?」


「わかりません。

ここは何処だろうとさまよっていると、大

きな獣に襲われました。

逃げ続けていましたが行き止まりにあたり

追い詰められました。」


「へぇ、それから?」


なんか、マチカちゃんまで輪に入っていたが気にせず続ける。


「そこにリオルカさんが現れて助けてくれま

した。その後は身を守る術を教わりながら

一緒にくらしていました。」


「それってリオルカ様の直弟子って事です

か?」


「それがモルト山での話二ゃ?」


「そうですね。本当にお世話になりました。

でも急に体調を崩されて数日前に他界され

ました。

亡くなるまえに山を降り、平原を越えた先

に、街があることを教えられていたので仕

事探しに降りてきたと言うのが顛末です」


そこまで話し水を飲み干す。


「そぅ…リオルカ様はお亡くなりになられた

のね。」


「英雄も年には勝てなかったという事二ゃ」


「お待たせ、本日のおすすめ二人前お待ち。

ごゆっくり召し上がれ」


出てきた料理はパスタとシチューと葉野菜のサラダだ。


「あっおねぇもう一人前追加二ゃ!」


「あいよ!ちょっと待ってな」


「お姉ちゃん、まだ食べるの。」


マチカが心配そうに言うとまだまだ二ゃと笑い、サックとルノアもつられて笑いだした。






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